あの時、あの工場で出会った人たちについて記憶の限り文章に起こすというアイデアは、私の中に以前からあった。「忘れてしまうまえにいつか必ず」と、ずっと思っていた。そして今回、ようやく書き上げることができた。
我ながら「この記憶力は愛情の賜物だ」と思った。私の、あの人たちへの思い入れは、「愛情」と呼んで良いものだと思う。自分でも驚くほど、ありとあらゆることを覚えており、思い出すことに没頭していると、今まさにあの工場で、あの面々と働いているかのような錯覚を覚えた。
書き終えて気付いたことは、私は、決して人間嫌いなんかではないんだということだった。
彼らとは、いつかまたどこかで再会したい。
一人でも多く再会したい。
寺方さんを除いて(笑)