『浦島さん』より/太宰治
言葉というものは、 生きている事の不安から、 芽ばえて来たものじゃないですかね。 腐った土から赤い毒きのこが生えて出るように、 生命の不安が言葉を醗酵させているのじゃないのですか。 よろこびの言葉もあるにはありますが、 ...
言葉というものは、 生きている事の不安から、 芽ばえて来たものじゃないですかね。 腐った土から赤い毒きのこが生えて出るように、 生命の不安が言葉を醗酵させているのじゃないのですか。 よろこびの言葉もあるにはありますが、 ...
私には思想なんてものはありませんよ。 すき、きらいだけですよ。
ただ、好きなのです。 それで、いいではありませんか。 純粋な愛情とは、 そんなものです。
進まなければならぬ。 何もわかっていなくても絶えず、 一寸でも、五分でも、 身を動かし、進まなければならぬ。
愛は言葉だ。 言葉が無くなりゃ、 同時にこの世の中に、愛情も無くなるんだ。 愛が言葉以外に、 実体として何かあると思っていたら、 大間違いだ。