不在万歳

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信じて欲しい。作り話ではない。つい先程耳にしたばかりの実話である。

テレビで、野球、日本代表VS台湾代表の試合を観ていたところ、二度、解説者の言葉に耳を疑った。

「やっぱりチン・インポ選手が不在ですからねえ…」

「それにしてもニン・チショウ選手が…」

勝負の世界だ。台湾代表にとって、チン・インポ選手もニン・チショウ選手も居ないに越したことはないんじゃないか?と思った。


撤去希望

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練習の合間に、久しぶりにドラムを叩いてみようと思った。

たぶん、私の80%はおっちゃんの120%だ。

「叩かれへんわっ!」心の中で叫んで、スティックをそっと、箱に戻した。


コマネキ

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チラシの片隅で手招きしている。

小招き…コマネキである。

そう言えば昔、大阪の施設で働いていた時、「コマキネ」という名前のおばあさんがいて、「間違えたらアカン」という気持ちが強過ぎて間違えて、「コマネチさん」って呼んじゃって、怒られたことがある。

「ウチの母はコマネチじゃありません!コマキネです!」と娘さん。深々と頭を下げて謝ったけど、真顔で怒られれば怒られるほど笑いが込み上げてきて、辛かった。


ラックンロール旗手

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一に練習、二に練習、三枝は文枝で五に練習。

今週は3回スタジオに入る。それでも、計6時間だ。アルファベッツの時には、一回の練習時間が8時間だった。私の、飽きるくらい練習してからでないとステージに上がれない神経は、間違いなくアルファベッツ時代に培われたものである。

昨日は、ライヴを想定してセットリストを決め、スタジオのおっちゃんが「うちはアナログやねん」と言って無料で貸してくれた、見たことない機材を使ってレコーディングをした。

おっちゃんが、これまた無料で焼いてくれたCD-Rを持ち帰り、聴いてみると、完璧に演れたつもりが所々ヨレていることに気付いた。でも、随分と良くなってきてはいる。練習すればするほど、曲と声とギターが馴染んできているように思う。あと少し、もう少し引き締めないといけない。今の私の状況は、プロ野球で言うところのキャンプなんだと思った。でも、やってることは、やらんとしていることは、落語に近いと、最近思う。

今日も練習。スタジオの、まるっきり接客業に向かない、人見知りの激し過ぎるおっちゃんが、少しずつ心を開いてきてくれているみたいで、嬉しい。


ドラマチスト旗手

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「ロマンチスト」みたいな感じで、人生がドラマチックなものであって欲しいと願う人のことを「ドラマチスト」と呼ぶとすれば、私は完全にドラマチストだと思う。いつも、人生に想定外の神秘的な展開を期待している。でも現実は、小説や映画の世界がよほど飛躍し過ぎているのか、悲しいほど理詰め理詰めに作られていて、ちっともドラマチックではない。ありとあらゆることが想定内に終わってしまう味気なさがあって、たまに泣きたくなる。現実に比べれば、聖書等の中にある宗教的な世界はもちろんのこと、歴史だって、小説や映画と同じくらい飛躍し過ぎているように感じる。それでもなお、往生際悪く、ドラマチストであることを諦めない痛い人たちのために、できることをやっていきたいと思っている。


路上の聖歌

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阪急電車。十三から戻り、塚口で降りると、どこからともなく歌声が聞こえてきて、気付いたら、声の主の前に立ち止まり、「ビートルズ、歌えますか?」と声を掛けている自分がいた。「『サムシング』なら歌えますよ」と答えて、歌ってくれたその人の名は尾野修一さん。

素晴らしかった。尾野さんは、「ただ歌ってる」のではなかった。声の向こう側に、ちゃんとハートがあって、聖歌みたいだった。

一夜明けて、ジョージ・ハリスンばかり聴いている自分がいる。ジョージってこんなに良かったっけ?

また尾野さんの『サムシング』が聴きたい。


降臨!ブラックナマズ

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昨日、私が何故、十三に足を運んだのか。

友人のギターナマズ(写真右)率いる『ブラックナマズ』のライヴを観に行ったのである。

ブラックナマズは、ロックの古典的な名曲を、たまにオリジナルも交えて、「一歩間違えればゴミ」的なパンクサウンドでもって炸裂させるバンド。そもそもパンクって、「一歩間違えれば」という、ギリギリのライン上でなりふり構わず叩き出す音が、他の音楽にはない、何よりもの魅力なんだから、ブラックナマズのやっていることは大正解だと思う。

ライヴ後、「十三でラモーンズを観た」と思い、「ロッケンロー、かくあるべし」と思い、私もいつか、もう少し歳をとったら、歳をとればこそ、捨てるに忍びないガラクタのようなパンクバンドをやりたいと思った。ロックンロールではなく、ロッケンローをやってみたいと思った。

ドラムナマズさんのドラムの叩き方が可愛かった。