狼煙

中学の時、学校で、喫煙がいかに有害かという内容の映像を見せられた。見終わると先生が「これを見てもなお「自分は将来タバコを吸うんだ」という人は手を挙げて」と言った。その時、教室には40人近くの生徒がいたのに、手を挙げたのは私だけだった。私は周りを見渡して「この嘘つき野郎どもが」と思った。みんな笑っていたが、私は別にウケを狙ったわけではなかった。狙っていたわけではなかったが、私は「だって、キース・リチャーズが吸ってるから」と言った。が、誰もキースを知らなかった。

小、中、高ー学生時代。私は、何が嫌いって、同級生たちが大嫌いだった。あの人たちには自分の考え方というものがなかった。仮にあったとしても、一切表現しようとせず、表現しないことを安全、下手すりゃ「かっこいい」とさえ思っている節があり、そんな態度と連日接することを強いられている私の中には「殺意」と呼んで差し支えないほどの憤りが実はあった。

あの時、私は、あの人たちー同級生たちの在り方こそが、日本人の在り方そのものだと悟った。だから私は今でも、基本的に、日本人って好きじゃない。


猛暑下のパープリン伯爵

しかしまあ暑い。暑くて仕方ないので、何に対して、誰に対して苛立っているのか自分でもさっぱりわからないのだが、無意識の内に「冗談じゃないよ」という言葉が口から漏れ出てくる。私は今日、部屋で一人、ずっと「冗談じゃないよ」と呟いている。

冗談じゃないよ。

冗談じゃないよ。

冗談じゃないよ。

冗談じゃないよ。

冗談じゃないよ。

冗談じゃないよ。

冗談じゃないよ。

冗談じゃないよ。

繰り返し言っている内に、「冗談じゃないよ」という言葉の意味がわからなくなってきた。


渋い酢

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我が家のトイレの棚の上には、常時、食器用洗剤の空きボトルに酢を入れたものが置いてある。母親が、掃除の際に酢を使用するからである。

昨日私は、その酢の入ったボトルに平仮名で大きく「す」と書いてあるのを見て、笑いながら母親に「すっぱマンじゃないんやから」と言ったのであるが、一夜明けて今朝、トイレに入った際に棚の上のボトルを見てみると「カモミールビネガー」とわざわざ書き直してあったので、「さすがは我が母親。いちいち笑いが渋い!」と思って感心してしまった。


すな!

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私は散歩好きである。暇さえあれば散歩に出掛ける。そしてこれは以前にも書いたが、私の散歩ルートには2系統ある。ひとつは宝塚山本方面へ向かうルート。もうひとつは、宝塚安倉方面へ向かうルート。添え付けた写真は、安倉方面へ散歩に出掛けた際に何故か必ず立ち寄ってしまう公園である。

安倉の住吉大社の裏手にあるこの公園。全くもって管理の手が入っておらず、草が伸び放題に伸びており、遊具はあるもののとてもじゃないが子供の遊べるような状態ではなく、かといって、大人が憩えるような状態でもない。まるで周辺地域住民から完無視を喰らい、ハミゴにされてグレ、やさぐれ立って「放っといてくれ!」とでも言っておるかのような公園なのである。

ところで、このやさぐれ公園からちょっと言った所に、私が散歩中によく立っションをする場所があるのだが、昨日、ここに見覚えのない札がぶら下がっていた。はて?よく見ると「ここに小便をしないでください。花が枯れます」とあったので、いかに常にやさぐれ立っている私と言えども、他人様の可憐な花を枯らしておいて何の罪悪感も抱かないというわけにはいかず、心の中で「ごめんなさい…」と呟いて、涙を流しながら立っションをした。