蝶の絵

大阪某所に、大きな蝶の絵があり、その絵の下の細い道路沿いに小さな楽器屋があって、ティムはこの楽器屋で私のフライヤーを見つけたのである。

私が、そこに蝶の絵があることに気付いたのは、ティムと知り合った後のことであるが、絵の存在に気付いた時は本当に驚いた。

私はこういう偶然を非常に重要視する男である。いや、私の場合、こういうのはそもそも「偶然」として捉えないのである。
「偶然」と呼ぶにはあまりに神秘的過ぎるし、「奇跡」と呼ぶにはあまりに日常的過ぎる。

でも、人間生きてりゃたまにこういうことがあって、こういうことがたまにあるから人生もなかなか捨てたもんじゃないな―なんて柄でもないことを思ったりなんかして、そして、たまにこういうことがあり、そういうことを思うたびに、「俺の人生、これから先、まだまだ何が起こるかわからないぜ!」なんて、あえて語尾に「ぜ!」を持ってきたりなんかして、たまに、極々たまに、私は希望の塊となるのである。

今がまさに、その「たま」である。まさに勝負時である。鉄は熱いうちに叩きたおして吉なのである。


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