臆病な人間は、常にうまくいかなかった場合のことを想定していて、想像力がそっちの方向に傾いたままだから、「考える」ということによって、防御線を引こうとする癖がつく。なので、「考える」という行為なしに生きるなんてのは自殺行為に等しいことのように思えてくるのであるが、同時に、「考える」という行為抜きに生きていける世界を切に望み、求めるのもまた、臆病な人間の性質で、もし、臆病な人間がそのような世界を見つけた場合には、臆病な人間は全身全霊でその世界にしがみついて、さらに、その世界で堂々と生きていける自信のようなものを自分の中に見出だせた場合には、臆病な人間は、この世界のことを「夢」と呼ぶようになるのであります。
私にとって、それが、ロックンロールだ。