私は日本人の分際で、日本のバンドがあまり好きではない。基本的には、日本のバンドの大半はゴミだと思っているし、私がよく口にする「日本のバンドはゴミだ」というセリフは、ある種、私の音楽観を象徴するキャッチ・フレーズのようなものだと思っている。ごちゃごちゃと言葉を並べ立てなくても、このセリフを口にするだけで、私がどんな姿勢で音楽をやっている人間なのかを簡潔に伝えることができて、結構重宝している。
がしかし、そんな私にも当然と言えば当然のことながら、僅かながら、好きな日本のバンドはある。
先日お話したように、私は昭和40年代に一世を風靡した「GS」のバンド達が大好きなのであるが、あれはもうあの時登場した全てのバンドを「GS」の名の下にひとくくりにして、別次元に置いとくとして、「GS」以外のバンドということで突き詰めて考えていくと、4組のバンドが別格の存在として、私の中にある。
村八分、ブランキー・ジェット・シティ、SMILE、ザ・コレクターズ―の4組である。そして、この4組のうち、今もなお現役バリバリに活動しているのは、コレクターズのみである。
コレクターズは1986年に日本初のモッズバンドとしてデビューして、現在に至るまで頑なにモッズであり続けて、今年デビュー25周年を迎えて、リーダーでヴォーカルの加藤ひさしに至っては今年51歳なのであるが、コンスタントにアルバムを発表し続けて、ライヴも、ライヴハウスの大小を問わず、その辺の駆け出しのバンド並みに精力的にやり続けている非常に見上げたバンドなのである。
メンバーも、大昔に一度、リズム隊の二人が変わっただけで、以降一度もメンバーチェンジをしていないし、メインソングライターの加藤ひさしは、歳を重ねる毎に作曲能力がジリジリジリジリ上がっていて、そんなこんなで25周年―日本のバンドでこんなバンドは他にいないのである。
実は、日頃あまりライヴを観に行かない私が、今までに一番数多くライヴを観たバンドがコレクターズなのである。5回くらい観たと思う。毎回、本当に素晴らしかったし、毎回「ロックバンドってやっぱり最高だ!」と思わせてくれた。
先日、コレクターズのライヴを観に行った友人のブログを覗いたところ、「俺も40や50になってもバンドやり続けたいと思った」とあったが、コレクターズのライヴを観たバンドマンは皆、同じことを思うのではなかろうか。コレクターズのライヴは本当に、そんな風に思わせてくれるライヴなのである。
で、結局私は何を言いたいのかというと、夢を持って生きることの重要性というのは、「語る」のではなくて、加藤ひさしのように姿勢として見せる―「魅せる」ことによって伝えるというのが正確なのではないか?ということなのである。
加藤ひさしに比べると、芸能生活後半の島田紳助は、夢を持って生きることの重要性を語ってばかりいた。そして、散々語った挙げ句、わけのわからない去り方をした。紳助は「有終の美」を飾れず、それまでに語ったことの全てを台無しにしたように思う。
俺はきっちり有終の美を飾るぜ!バンドを辞める時は死ぬ時だぜ!内田裕也みたいな発言だぜ!イェイ!