対バン予想〜だから私は嫌われる〜

実は密かに、『アタマクル』のステージに期待している自分がいる。だって、「アタマクル」なんだから。

「アタマクルってどんな音出すんやろ」って、しご…忍耐中ずっと考えていた。普通に考えたら、アングラ、パンク、もしくはハードコアやと思うけど、ライヴハウスが我々蝶の対バンとして選んだんやから、激しい言うてもしれてると思う。間違っても、デスメタルとかではないやろうと思う。

「アタマクルってどんな音出すんやろ」際限なく考えている内に、「もし自分がアタマクルやったら…」という危険な方向に考えが及び始めた。

まず、「俺やったら、3分に満たん曲を5曲やるな」と思った。30分の持ち時間に15分弱の演奏。この無意味な潔さに魂の違いを見せつけるのである。それから、「俺やったら、演奏する5曲のタイトルに一貫性を持たせるな」と思った。で、私なりに5曲のタイトルと、そのタイトルに見合った各曲の内容を考えてみたところ、以下のようになった。

1曲目『アタマクル』

これはもうこれしかないだろう。バンドのテーマ曲を一発目に持ってくる。詞の内容はこうだ。近所のコンビニにめちゃくちゃ可愛い女の子が働いている。で、主人公の男はその子に顔を覚えてもらうべく、毎日このコンビニに通う。しかしながら、何度行っても「ポイントカードはお持ちですか?」と訊かれる。主人公は思う。「エエ加減ワシの顔覚えたらどないや!」で、ここから一気にサビに突入―「アタマクル!」
サビ部はクイーンばりにコーラスを効かせるが、曲調自体は全体を通して南こうせつの影響を受けた人ばり。

2曲目『ドタマクル』

これはほぼスピードメタル。めちゃくちゃ速い。速過ぎて遅く聴こえるくらい速い。詞の内容はこうだ。一人でボーリングをしに行った主人公が、ボールを手にするがどれ一つとして指に合わない。仕方がないので、キッチキチのやつに指を無理矢理捩じ込んで放り投げたら腕が肩からモゲて…ここから一気にサビに突入―「い、痛いわ…」
「痛いわ…」にエコーを深くかけて「いたいたわいたわたいわいたいたたたわいいたわたたたわ」として、この残響の中で照明が落ちる。

(中国語によるMCを挟んで)3曲目『ワリマクル』

これは尾崎豊『卒業』の歌詞の一部、「夜の校舎 窓ガラス壊してまわった」をひたすら繰り返すだけの曲。ただ、アレンジに斬新な工夫が施されていて、この曲が始まるとメンバー全員ステージを降りて、メンバーと全く面識のない年老いたゴスペルグループが突如ステージ上に現れて、尾崎豊の『卒業』ではない曲をキリキリと歌い上げる。

4曲目『シリカゲル』

乾燥剤の名前を曲名にしておきながら、あえて梅雨時を舞台とした恋物語をしっとりと歌い上げる。曲調はハワイアンながら、使用する楽器は琵琶。年老いたゴスペルグループの表現力の豊かさが、歌に演奏に踊りに遺憾なく発揮される名曲。

5曲目『ワダシゲル』

私のおじいちゃんの名前。

―と、もし私がアタマクルのメンバーならこんな感じになるのだが、本物のアタマクルはどんな感じなのだろうか。どっち寄りなのだろうか。期待は募る一方だ。
いずれにせよ、本物が私版アタマクルそのまんまだったら笑う。


2件のコメント

  1. ほォ〜。(^O^)/
    貴方の楽しみ方で、私はお腹いっぱいです。バラせば、アナログで検索したりしないからね。
    忠実な市民でおります。

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