ドモホルンシンプル2

「夢」や「希望」といった言葉が、稚拙な使い方をされ過ぎたことによって馬鹿みたいな言葉になってしまったように、「無邪気」という言葉も、今や、馬鹿みたいな言葉になってしまった感があるが、本来は「無邪気」って、凄まじく素晴らしい言葉だと思う。何しろ、「邪気」が「無い」んだから。

―私が19の頃に付き合っていた彼女は、新潟生まれ新潟育ちのとても肌の白い女の子であった。
小さなお店に買い物に行くと、お店に入る時には必ず元気な声で「こんにちは!」と言い、買い物を済ませてお釣を受け取る時には必ず「ありがとう」と言っていた。基本的にいつも笑顔だった。

あの頃の私は、彼女のそういうあり方を「田舎モンの美徳」くらいにしか思っていなかった。そして、彼女みたいな女の子って他にも結構いるんだろうなどと思っていた。


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