黒蛇の歌

0063.jpg

白と黒。
光と影。
水と血。
鳥と蛇。
説教と呪文。
天使と悪魔。

―どちらがよりエロいか。黒、影、血、蛇、呪文、悪魔…そりゃ後者に決まってるだろう。

私は今まで、それこそ数え切れないほどのロックアルバムを聴いてきたが、「エロさ」について言えば、後にも先にも、これを超えるアルバムに触れたことはない。

18の時、とある友人に「セックスする時にBGMにするとしたら?」と訊かれた時、私は、童貞丸出しの分際で迷わずこう答えた。

「ドアーズの『ハートに火をつけて』」

あれから17年経った今、もし同じ質問をされたとしても、私は迷わずこう答えると思う。

「ドアーズの『ハートに火をつけて』」

人生に絶望して、でもちょっとだけ希望らしきものが残っていて、しこたま酒を飲んで、泥酔して、酩酊して、これを聴いた日にゃ、誰だって若干の犯罪行為に走る可能性はあると思うし、それはドアーズの罪であって、彼や彼女や私の罪ではないと思う。


コメントする

メールアドレスが公開されることはありません。