真夜中黄昏

真夜中、窓辺の座椅子に腰掛けて網戸越しに空を見上げたら、満天…と言うには程遠いが、なかなかの数の星がかなり鮮やかに見えた。裏庭からは虫の音がチラホラ聞こえてきて、中に鈴虫だか何だか、ずっと同じトーン、同じサイクルで鳴いてるやつがいて、あれはきっと寝てるんだろう、あの鳴き声はいびきなんだろうと思った。

「毎日、際限なく色んなことを考えるけれども、考えてみれば、考えるということを考えたことがない。考えて気が重くなったり、身体が重くなったりするくらいなら、最初っから何も考えないで軽快に飛んだり跳ねたりしていた方が宜しいのではなかろうか」といった内容の文章を書こうと思っていた矢先の星であり、虫の音だった。


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