実在する架空の人

20131029_203556.jpeg

全米初登場3位、オリコン初登場2位。今月発売されたばかりのポールのニューアルバム「NEW」。これは、ちょっとオーバープロデュースなところが玉にキズだが、それでもたぶん、傑作だ。素晴らしい。ビビった。

「一度聴いたら忘れられない」的な、パンチのある、キャッチーな曲は2、3曲くらいしか入っていないのに、アルバム全編を通して凄まじい熱があって、恐ろしく緻密に作り込まれていて(これが悪く言えばオーバープロデュース)、中毒性がひゃんぱなくて、聴けば聴くほど新たに聞こえてくるものがあってズルズルと引き込まれていく。多種多様な楽曲群は良い意味で掴み所がなくて、何度聴いても飽きない。聴けば聴くほど新鮮で、感動する。

「魔法使い」ならぬ「音楽使い」。自由自在に音楽をあやつる。もはや、ポールの上に音楽があるんじゃなくて、ポールの下に音楽があるような感じ。ポールの中にある音楽的引き出しの数はたぶん、人類史上最多だ。前人未到の領域に足を踏み入れてる。凄い。もの凄い。

71歳にしてさらなる成長を遂げているポール。「天才とアホは紙一重」ってなことをよく言うが、ここまで来るともう、完全なるアホだ。

あきれてものも言えない。


コメントする

メールアドレスが公開されることはありません。