DNAに願いを

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これまた、我が親父の形見といえば形見なのである。もちろん、親父の頭蓋骨ではない。親父が、あるパンキッシュな絵を描く時に使った頭蓋骨の模型なのである。
親父は、裸足で頭蓋骨を踏んでいる女の人の絵を描いたことがあって、これはその時に使われたものなのである。

和田家は、霊○会という、今まさに生きている人よりも死んだ人「先祖」を大事にして、ただひたすらにお経ばかり詠んでいる宗教に入信している人が大半で、ウチだけは親父が頑なに無宗教を貫き通してくれたから助かったのだが、親父にはその宗教について色々と思うところがあって、憤慨するものがあって、親父はそれを、裸足で頭蓋骨を踏んだ女の人の絵で表現したのである。

「死んだ奴なんてどうでもいい。今生きてる人間を大事にせえ」と。

この絵は、昔、親父が個展をした時、私が連れていったバンドマン達には絶賛されたが、霊○会の信者である親戚たちには「見ていられない」「こんなことしたらアカン」とコキ下ろされた。

私が今、この頭蓋骨を眺めていると非常に落ち着くというのはきっと、この頭蓋骨に親父のパンク魂が宿っているからだと思う。

私は、地球上の誰よりも濃く親父のDNAを受け継いでいるはずなのだが…。


1件のコメント

  1. さすが『父上』!
    『猫族』にゃ!
    『死して屍拾う者なし!』
    ししてしかばねひろうものにゃし!

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