これは実話です。
太宰さん(太宰治)の親友に、山岸外史という作家さんがいました。
ある日、二人はとある居酒屋で呑んでおりました。で、勘定の段階になって、「金がねぇ!」となりました。
太宰さんは外史を人質として居酒屋に置いて、「必ず戻る!」と言って出てったきり、戻ってきませんでした。
太宰が戻ってこない…外史は、方々の友人に連絡をして、呑み代を工面しました。
頭にきた外史は、太宰がいるであろう別の居酒屋に乗り込んで、案の定、そこで呑んでいた太宰さんに怒鳴り付けました。「お前はアホか!」
太宰さんは言いました。「君ねぇ、待つ側より待たせる側の方が辛いんだよ」
太宰治最低!
でも、このエピソードを題材にして、後日、『走れメロス』が生まれました。