グリセル ☆
ブラジルの女の人で、なかなか可愛かったが全く働かなかった。
ミッシェル ☆
ブラジルの男。私が入って3ヶ月ほどで辞めていなくなったからほとんど何も覚えていないが、あまりに働かないのでめちゃくちゃイライラしたことはよく覚えている。あと、辞めていなくなってから、実はドラッグの売人だったというオチがあったことも覚えている。
ジーナ ☆
毎朝、明石から電車に乗って働きに来ていたブラジルの女の人。グリセルは可愛いキャラだったが、ジーナは知的な美人キャラで、グリセルよりずっと日本語が上手かったし、驚くほどよく働いた。私がブラジル人の中で唯一親しくしていたのがジーナだった。
武内さん ☆☆☆
端正な顔立ちの男前ながら、高田純次的なテキトー感が炸裂していて、働きに来ている感皆無の底抜けに陽気な人だった。工場内で、工場の仕事とは全く関係のない、ネズミ講みたいなことに手を出していた。私の顔を見るといつも芸能人を見つけたかのようなビックリした顔をして、「わ、和田さんですよね!」と言って握手を求めてきたのだが、これが不思議なことに、何度も繰り返しやられてる内に面白くなってきて、しまいには武内さんの顔を見るだけで笑いが込み上げてくるようになった。そうかと思えば、まだ入りたてで緊張し倒していた私に「大丈夫ですよ。どんな仕事だっていつかは「見えた!」っていう瞬間が来ますから」という言葉を掛けてくれたりもしたし、休憩時間に、神崎川に架かる橋の下で暗い顔をして体育座りをしているのを見たこともある。最後まで掴みどころのない人だった。
大越さん ☆☆☆
ブサイクな上、性格の悪い背の低い女の人だったが、なぜかさほど嫌いにはなれなかった。古株で態度がデカいので、影では「お局」などと呼ばれていた。派遣切りが吹き荒れ始めた頃、なぜかちょっと色気づき始めたので、皆で「あれ?最近ちょっと綺麗になりました?彼氏でもできました?」と繰り返し声を掛けてみたところ、微妙に物腰が柔らかくなって、「ウフフ」みたいな笑い方をしたのでどつきたくなった。
永野さん ☆☆☆☆
常に驚いたような顔をした謎に満ちた男で、無口で挙動不審のアル中だった。「ヘビーメタルが好きらしい」というどうでも良過ぎる情報に吐くほど笑った覚えがある。