子供の頃、家の近所に「ぼくらの店」とか「いなみ」とか「木香商店」とか、駄菓子屋がいっぱいあって、毎日欠かさず通っていた。
お小遣いが100円あれば良い方だったので、10円20円のものをいかに上手く組み合わせて買うのかが子供どうし腕の見せ所で、30円のものにはなかなか手が出なかったが、その割りには、50円の即席ラーメンはしょっちゅう買って、透明のプラスチックフォークを握り締めて、食べていた。
駄菓子の大人買いをするのが、子供の頃の夢だった。
気付けば、夢が現実になっていた。
昨日、ある人から、数本前の記事「姐御は妖刀使い」の中で使用している写真は一体誰なのかという問い合わせを受けたので「戸川純です」と答えた。と同時に、「ブログ、見てくれてるんですか?」と尋ね返してみたところ、こんな返事が返ってきた。
「密かにやってるよ」
「見てる」でも「読んでる」でもなく、「やってる」という表現に惹かれた。密かにやってるードラッグみたいになってしまっているが、私はこの表現が大層気に入ったのである。
そう、当ブログは人目を忍んで密かに「やる」ものであって、おおっぴらに見たり読んだりするものではない。確かに、厳密に言えば、やってるのは私であって、読者の皆さんではないのだが、ドラッグを使用することを「やる」と言い、栽培、精製することを「やる」とは言わんのだから、当ブログをドラッグであると仮定すれば、読者の皆さんこそが「やってる」と言えるのである。
というわけで今後は、当ブログを閲覧することを「やる」もしくは「やってる」と言うことにいたしましょう。私が栽培、精製したものを、皆さんが使用する、やる。そんな需要と供給。