子供の頃から自分の好きな色が何色なのかを知りたいと思っていた。俺は何色が好きなのか。本当に好きな色は?心底知りたかった。おそらく、自分を知りたかったのだと思うのだが、実際は逆の流れを辿って、自分を知れば知るほど本当に好きな色が見えてきた。
ようやく「俺、この色好きかも」と思えたのは25歳くらいの時。紫を綺麗だと思った。でも、その後すぐにえんじの方がより綺麗だと思うようになって、でも、えんじもなんか微妙に違う…と感じて、辿り着いたのが赤で、それもめちゃくちゃ濃い赤。いわゆる「ワインレッド」に辿り着いた。目にするたび奥歯に力が入る、心から好きな色。
先日、YouTubeを観ていたところ、非常に気持ちの悪いサイキッカーの人がこんな事を言っていた。「赤というのはね、よく生命力を象徴する色とか言われますけども、要するに怒りの色なんです。でね、この「怒り」というのは、分かりやすく言えば「生きたい」という気持ちの事なんです。だから、赤が好きな人っていうのはね、生きたいんです」人となりこそ気持ち悪いが言い得て妙。悔しいけど、その通りだと思った。
赤は赤でも極限まで自分の好きな赤。すでに持っているカーネリアンより濃い赤。そんな色の石で出来たブレスレットがあったら欲しいなと思ってネットで探したらあったので手に入れた。ガーネットという石で、不思議な事に1月の誕生石だった。

誕生石。1月以外の誕生石は複数あるのに、1月はガーネットだけらしく、長年に渡って自分の本当に好きな色を考えてきた末にここに辿り着いたというのは、個人的に、めちゃくちゃ面白い事だと思っている。
自分がどんな人間なのかを知りたいという気持ちが、自分の本当に好きな色をはじき出した。そういう意味では、俺、人生のちょっとしたターニングポイントを迎えてるのかな?と思う。ここからが肝。今度は逆に、45年かけてはじき出した色が意味するところを汲みながら、力を借りて、自分を大きく伸ばしていかねば。
俺はもう「ある程度」以上に自分自身を分かってる。あとはもう、自分らしく闘うのみだ。
赤は怒りの色。
生きたい!

自分自身を中心に物事を考える事を「自転」と呼び、音楽を中心に物事を考える事を「公転」と呼ぶとするなら、どうやら俺は、いずれも、「一周回った」ようだ。

ギターを弾く気にも、曲を書く気にも、歌う気にもなれない日々が続いている。あまりに長い。さすがに不安になってきた。
昨日、45歳になった。実感できた事があるとすればただ一つ…何だよ!相変わらずただの子供じゃねえか!!という事。だから、ケーキに刺したローソク。「4」と「5」の後に「?」を入れた。


仕事でヘアキャッチャーという物を扱っている。お風呂の排水口に設置して、髪の毛等のゴミが配管に流れていかないようにする為の金属製の網。家庭でもよく見かけるあれのデカいやつを扱っているのだが、長年扱っている内に気付いたのは、ゴミは突然大量に溜まるものではないという事。ではどうやって溜まるのか。最初はごくごく小さなゴミ。それこそ一本の髪の毛から始まって、そこに後から来たゴミが絡みついていく形で増えていくのである。そうやって、ゴミが増えたらどうなるか。当然、水の流れが悪くなって排水が利かなくなってくる。