ここ最近のリハーサルで性急さを増した「口車に乗って」でスタート。間を空けずにザ・フー的なギターリフで始まるパンクナンバー「俺はロックスタア」に突入。この2曲で一気にトップギアまで持っていって、終わったら黙ってチューニング。会場が完全に静まるのを待って新曲「WHY?」。短いMCを挟んで、この日リリースする予定だったアルバム『DABADA TV SHOW 』から「伊丹DABADAで逢いましょう」「グラサージュ」「バタフライ」の3曲を続けてやって、新曲「悪魔と呼んで」でハーモニカを初披露。8曲目にはどこにも毒がない愛嬌の塊のようなラブソング「orange」を持ってきて、毒の塊「MUSIC IS DEAD」で終わる…という流れ。
本格的に作曲を始めた21、2歳の時に書いて、今でもライブのレパートリーにあがることの多い『妄想狂冥利』からして早くも音楽を題材にしたもので、「誰も理解してくれなくても音楽が理解してくれている」という内容だったし、同時期に書いた『クリスティン』という曲も「音楽に生かされている」という内容だった。『モナリザ』『WHY?』は、駄目になっていく音楽を目の当たりにしながら何の手助けもできない歯痒さを歌ったものだし、『伊丹DABADAで逢いましょう』は「音楽なら音楽らしく、求めてくれる人のいる場所へ」と、俺が俺の音楽の為に書いた応援歌。「目覚めた僕の額にト音記号」というフレーズが気に入っている『ここで待つもの』はストレートにメロディーへの信頼を歌ったものだったし、『香しき日々』は音楽が迎えに来てくれるのを待ち続けているという内容。で、今現在の到達点は『MUSIC IS DEAD』。これまでの紆余曲折があってこその「音楽は死んだ」だと思っている。