凍りついて見上げていた
そこに君の肉体はなく
見覚えのある真っ赤なドレスが立っていた
胸元には猫の目に似たガラスの玉が輝いていたが
突然弾け飛んで螺旋階段を駆け降りると
僕の足元で音を立てて割れてしまった
割れてしまった
割れてしまった
インクの瓶
言葉を一切受け付けない真っ白な便箋が
一瞬にして
深い青に染まった
あそこに浮いているのは人魚ですか?
手遅れでしょう
手遅れでしょう
手遅れでしょう
僕が口にしたのは毒なのです
毒の味を覚えたら
僕は
あなたに
すべてを打ち明けるつもりでいます
毒の味を覚えたら
僕は
あなたに
すべてを明け渡すつもりでいます
毒の味を覚えたら…