第三者にはわからない。
「第三者にはわからない」ということをよくわかっている第三者は、信用するに値する。
当事者が、どんなに言葉を尽くして語っても、本当のところは、第三者にはわからない。
その時、何を見たのか。その時、何を聞いたのか。その時、どんな空気に触れていたのか。その時、どんな匂いを嗅いでいたのか。その時、どんな印象を受けていたのか―ということの全てを、言葉に盛り込むことは不可能だからだ。
私だって、ある事柄について、第三者になったらきっと、何もわからないし、わかってあげられないと思う。
ただ、「第三者にはわからない」という前提に立って、ちゃんと話を聞いてあげる―ということしかできないと思う。