ユダを憐れむ歌〈後編〉

ナメられてきた―ということに気付いた瞬間から、私の中の、怒りの感情を瞬時にして圧し殺してきた機能が全く作動しなくなった。あれだけ俊敏かつ的確だったものが、ある日突然、うんともすんとも言わなくなった。 トンネルを抜けて、最...

ユダを憐れむ歌〈前編〉

私の両親は、今も昔も、無宗教です。 キリスト教徒でも仏教徒でもないし、霊友会の信者でもなければ、創価学会の信者でもありません。が、父親がミケランジェロや、ダ・ヴィンチを敬愛する画家で、聖書に精通していた為に、父親にはキリ...