弱い犬ほどよく吠える―これと同じような感じで、こんなのはどうだろう。
弱い奴ほどよく飾る。
弱そうな奴に限ってギンギラギンだ。そして、さりげなくない。
想像するに、戦国時代に於いては、ヘタレな武将に限って派手な鎧を纏っていたのではなかろうか。で、ヘタレ丸出しにオドオドしてるくせに鎧だけは派手なもんだから、やたらと敵の目と鼻について、真っ先に戦死して、鎧は派手だが人間的存在感が皆無に等しいので、同僚の誰も彼がいなくなったことに気付かなかったのではなかろうか。
所変わって現代。呑み屋街などを歩いておっても、全身ブランド物やなんかで固めて派手な格好をしている奴に限って弱そうである。弱そうなのに派手なので、チンピラに目を付けられて絡まれて、鼻血を流して自販機の横で体育座りをしているのである。あと、派手な女に限ってブサイクなのは言わずもがなで…。
こう考えてみると、ファッションというのもまた、弱者の数ある武器の中のひとつなのかもしれない。ただ、この武器を適切に扱えている人間をあまり見たことがない。