パルプンテ

「我が道を行く」には、豪胆である必要がある。

私は、空気を読めない人間や、鈍感な人間のことを心底忌み嫌う一方で、実はめちゃくちゃ羨ましいとも思っている。何故か―彼らが非常に豪胆に見えるからだ。
本当は豪胆でも何でもない。ただ鈍感なだけで、鈍感がゆえに傷付きにくいというだけの話なのだが、どんな理由であれ、傷付きにくいというのは羨ましい。羨ましいけれども、彼らは鈍感であるがゆえに無意識の内に人を傷付けもするから、やはり忌み嫌わざるを得ない。

豪胆というのは、空気が読める、鈍感でない人間だけがなれるものだと思う。でも、どうやったらなれるのかがさっぱりわからないので、私の場合、とりあえず「ロックンロール」を連呼して、自分を騙し騙し生きている。

自分を騙す―簡単なことじゃない。結構難しい。でも、それが出来てしまう「ロックンロール」という言葉はやはり、なかなかの呪文だと思う。

―お前、そんなんじゃ駄目だよ。もっとあれをこうして、これをああしなきゃ。

―いいんです。僕、ロックンロールなんで。

最低かもしれない。でも、少なくとも、生きてはいける。


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