一人酒の楽しみ方2

狭い店内。座敷を占めていたオッサン連中が帰って、客は私と、くたびれた若い兄ちゃんと、そのくたびれた若い兄ちゃんのごっついごっつい綺麗な彼女がカウンターに残るのみとなった。

ボクシングで言うところの「ジャブ」的にじわじわ効いてくる屈辱感。

「俺にも彼女おりまっせえー!」叫ぼうとした瞬間、マスターがこう言った。「アンタら兄妹、ホンマ仲ええなあ」

タライが一つ、私の頭上に落ちてきた。


コメントする

メールアドレスが公開されることはありません。