悪気はねえ

ロックンロールな人が皆、ドカーンと生きてバタンと死ねるわけではないのである。そりゃ、ジョン・レノンみたいに、何処の馬の骨ともしれない狂人に撃たれて死んだり、マーク・ボランみたいに、本人の予言通り、車で事故って血まみれで死んだり、ブライアン・ジョーンズみたいに、ある日突然水死体となって発見されたり―といった突発的な死に方ができるに越したことはないが、現実的には、なかなかそうは烏賊のきゃん玉。いかにロックンロールな生き方をしてきたとは言え、最期は結構、本人の意志に反して、モタってしまうものなのである。

最期の最期―肝心なところで何故モタるのか。モタる理由にも色々あると思うが、これが結構、身内のせいだったりするようである。しかし、「延命治療みたいなことはすな」という覚悟丸出しの発言がロックンロールなら、そう言われた場合に、身内の者が笑って応える「そうは烏賊のきゃん玉」という発言もまた、ロックンロール以外の何物でもないのである。


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