ある登山家の肖像

一見低く見え、一見美しくも見えるあの白い山を登り始めたある登山家が、自分が実は、いまだ山の麓にいて、山の麓に敷かれた動く歩道のような奇怪な道をただひたすらに逆行し続けていただけだということに気付いたのは、山を登り始めてか...

人はそれを徘徊と呼ぶ

瞑想というのは何も、宗教家を筆頭に、スペシャルな方々のみがやるものと決まっているわけではない。また、瞑想というのは何も、座禅を筆頭に、一箇所にじっと居座って微動だにしないという、あの形のみを指して言うものでもない。瞑想と...

怒りの葡萄

…とかなんとか言いながら、ちっとも黙っていられないのが私という人間なのである。 最近、私が特に考えていることは、人の死についてである。人の死について、どう捉えれば良いのか。そしてまた、最近、私が特に考えている...

訂正

3つ前の記事に於いて私は、スピッツの「渚」という曲がめちゃくちゃ好きだと書いたが、あれ、間違い。ちゃんと確認してみたら、私がスピッツの曲で一番好きな曲は「スカーレット」であった。 「スカーレット」こそは、昨今の私の精神状...

高田順吉

エイプリルフールにくだらない嘘をつく人間にはどうしてこうウザイ奴が多いんだろう―と、小学生の頃から思っていた。 私は生まれつき嘘つきだが、生まれてこの方、エイプリルフールだけは、爪の垢ほどの嘘もついたことがない。 ―とい...