昨夜見た夢

私は旧日本兵で、私も戦友たちも皆、機関銃をぶら下げてぶらぶら平和に過ごしていた。そこへ、戦友の一人が「アメリカ軍が攻めて来たあ!」と叫んで、我々は応戦することなく逃走。蜘蛛の子を散らしてがむしゃらに走った。

走りながら私は叫んだ。「もうちょっと走ったら京阪電車の駅やからそこまで頑張ろう!」
戦友が応えた。「でも、駅もろとも攻撃されたら終わりやぞ!」

這々の体で駅に辿り着くとすぐに電車が到着。我々が飛び乗ると、電車は特に急ぐ風でもなくゆったりと動き出したのだが、動き出すやいなや踏み切りの警報器の音が聞こえてきて、こともあろうか歩行者ではなく電車の進行を妨げる形で遮断機が降りた。私は「アカン!もう終わりや!」と思った。が、その時、車掌が凄まじい勢いでハンドルを左に切り、一度車両を脱線させて踏み切りを回避してから再び車両を線路上に戻すという荒技で危機を逃れた。
私が呆然として車掌の背中を見つめていると、車掌は無言で内ポケットから免許証のようなものを取り出して私の方へ投げた。私はそれを拾い、見て、彼が伝説の日本軍戦士であることを知った。

いつどこで電車を降りたのかはわからないが、私が辿り着いたのは全てが白黒の世界だった。何を見ても全てが白黒で、昔の古い記録映画のように画素が荒くザラザラしていて、そこら中にレンガを積み立てて建造したと思われる巨大なとんがりコーンのような塔がそびえ立っていた。周りには老人しかいない。

私は近くにいた気の良さそうな老婆に尋ねた。「今、何年ですか?」
老婆は笑顔で答えた。「さあねぇ。私にもわからないのよ」

次の瞬間、何の前触れもなく、私の目の前に映画監督の格好をした私が現れた。夢の中で私は、この夢が全て、私自身が撮っている映画だということに気付いた。


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