鳥葬

「歌う」と「喋る」は似ても似つかない。全くの別物で、同じ言葉でも、歌う分には、何を言ったって私の自由。他人に文句を言われる筋合いはない。

私の中には、「喋る」わけにはいかない腹立たしいことや哀しいことが吐いて棄てるほどある。だから、読んで字の如く吐いて棄てなきゃいけない。精神衛生上の問題として、吐いて棄てなきゃいけない。まさに「吐いて棄てる」という表現が相応しいんだけれども、それは、私の中から外に出て、空気に触れる段階に至って、カッコ良かったり、綺麗だったりしないといけない。吐いて棄てるからといって、ただの汚物では意味がない。

ただ吐いて棄ててたんじゃもったいないと思うものを形にするーこれが私にとって音楽をやる事の意味。そうして生まれた作品が魅力的なものであれば、嗅ぎ付けた人が鳥のように寄ってきて、ついばんでは飛んでって、かくしてこれは鳥葬。私の怒りや哀しみが消化されるーという流れを、地味で構わないから絶えず生み出して、繰り返しながら、精神的に健康に生きていきたい。


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