私の職場は、会社裏の小さな駐車場が喫煙所となっている。私は休憩時間のたびに、この駐車場のアスファルトに腰を下ろして、駐車場に面した一本の道路を行き交う車を眺めながら、煙草を吹かしている。周りには、ごく一般的な作りの民家が建ち並んでいる。
今日も私は、アスファルトに腰を下ろして、呆然と眼前の道路を眺めていた。するとそこへ、二人のパートさんが笑いながら近寄ってきて、私の目と鼻の先で手を振りながら、「和田くん、何か見えてるん?」と言ったので、私は即座に、「はい。僕には見えてます!」と言い切った。二人のパートさんは非常に驚いた顔をして、「え!?何が?」と言ったので、私は、若干ニヤリとしてこう答えた。「酒池肉林が。」
かなりウケた。