黒い蝉

私はここで断言する。

寝溜めはできる!と―。

ただ、寝溜めには気合が必要である。6時間寝て、目が覚めたとしても、そこでもう一度無理矢理にでも眠らねばならず、たとえそこから2時間寝ることに成功したとしても、そこからまたさらに最低4時間は眠らねば寝溜めとは言えない。12時間以下の睡眠は寝溜めとは言わないのである。

10時間を超える睡眠の後半は、眠りが薄い。したがって、次から次へとわけのわからん夢を見るようになるが、本物の寝溜めをものにするためにはこれに打ち勝たなければならない。

昨日から今日にかけて、私は見事に寝溜めに成功したが、後半、右腕に無数の黒い蝉が隙間なくギシギシギシギシまとわりついて気持ち悪いったらありゃしない―という夢を見て、今、非常に身体がだるいから、私はここで断言する。

寝溜めはアカン!


Mr.モーラス

肩や背中や腰の凝りなどというものは、良識と常識に溢れた大人が患うものであって、私のようなガキンチョには永遠に無縁だと思っていたのだが、それは大きな間違いで、どうやら私は、ただひたすらに自覚に乏しいだけで、実は肩も背中も腰もギッシギシに凝っているらしい―ということにようやく気付いたのが昨日の朝。

我がの身体の凝りに気が付かないほどに良識も常識もない分際で、いっちょまえに凝りだけがあるというのは、火のないところに煙が立ってしまっているようなもので、それはそれは不自然な現象だと言えて、その極めて不自然な現象が、自然の産物丸出しの人体内で起こるのであるから、そ〜れはそれは不快である。


モンプチ・ローレライ

人間、感情に抑制が利かなくなったらどうなるのか―ということを日々考えさせられる職業を選んだ私は、その一方で、私を含めたそこらへんの人たちが、普段いかに感情を抑制し過ぎつつ生きているのか―ということを考えさせられている。そして、そんな、普段、感情を抑制し過ぎつつ生きている我々にとって、恋愛感情って、最後の砦だと思っている。

誰かのことが好きだ大好きだ!という感情さえ素直に表せないで、何が大人だ!何が人間だ!グダグダグダグダ複雑に偉そうなことを抜かし合っている暇があったら好きな人に好きと単純に言うてみせたらどないだ!と思う。

いつも誰かを恐れている。いつも何かを恐れている。そうして、好きな人に「好きだ!」と言うことさえできずにいる。

自分の人生は、自分こそが主人公のはずなのに、主人公の座を他人に譲って、ある種の「責任逃れ」を繰り返している。「自分は自分である」という責任から逃れよう逃れようとしている。

逃れられるかいアホンダラ!

世の中の人間の大半は、私に比べて随分と「大人」で、それは痛いくらい認めるが、世の中の人間の大半は、ある意味では、私に比べて随分と臆病である―ということについては、世の中の人間の大半が認めようとしないから困るであるが、当記事の「モンプチ・ローレライ」なるタイトルには、特にこれといって意味はない。


Love Is Rock!

以前、私が最も尊敬しているロックンロールシンガーであり、自他共に認める世界最強のロックンロールスターでもあるリアム・ギャラガーが結婚した時に、「結婚はロックだ!」という名言を吐いて、元々アホで有名であった為に、某音楽雑誌に「世界最強のアホ」の烙印を押されていたのであるが、今私は、口が裂けても、彼をアホ呼ばわりできないというのは、今私は、「恋はロックだ!」と両手を後ろで組み、顎を突き出し、胸を張って主張したいからである。

ロックンロールの定義は、昔から「セックス、ドラッグ&ロックンロール」と言われるが、私に言わせれば、恋とはまさに、「セックス、ドラッグ&ロックンロール」を入念かつ執拗に練り込んで正露丸みたいな感じにしたものなのである。でも、だからといって、「じゃあ、恋は正露丸なのか?」などと私に尋ねる痴れ者があったとすれば、私は、「違うわっ!」と叫んで、彼をどつき回すと思います。


ちょっとについて

ちょっと揺さぶる。ちょっと叩く。ちょっと斬る―この「ちょっと」のできない人間のいかに多いことか。どいつもこいつもビビり過ぎだろう。

あんた自身、ちょっと揺さぶられたくらいで、ちょっと叩かれたくらいで、ちょっと斬られたくらいで壊れてしまうほど、繊細にできているわけでもなかろうに。


奥の細道

私はいつも、「本当にそうなのか?」と思うのである。「本当にそれで良いのか?」と思うのである。「それって面白いか?もっと他にあるんじゃないのか?」と思うのである。私はいわば『歩く懐疑心』なのである。

子供の頃の私は、私を取り囲む大人に恵まれていたように思う。あの人たちに比べれば、今、私を取り囲んでいる大人は実につまらない―茶の出涸らしみたいな感じなのである。どいつもこいつもいい歳をして「個」がない。

私の親とか、親の友人とか、教師とかが私に繰り返し言ったのは、「お前が『普通』でどうする!」だったように思う。思えば、私を取り囲む大人はみんな不良だった。

不良が寄ってたかって不良を拵えた。そして、その不良を世の中にブチ込もうとしていた。

私は常に、私を拵えてくれた不良たちの期待に応えるべく生きているが、まだまだぬるいと言わざるを得なくて、情けないっちゃ情けないが、まだまだこれから。

不良道は、なかなかどうして、奥が深いのである。そして、奥へ行けば行くほど、道は細くなっていくのである。


心の徐庶

人の幸せをひがんだり、妬んだり、邪魔したりする人間に幸せは訪れない―ということも知らない人間が、完全なる自業自得であるにも関わらず、不幸な、満たされない表情を浮かべつつ、積極性皆無―自分からは何もしないで、だだただグダグダグダグダ我が人生の物語を呪うように愚痴っているのを見るにつけ、人生って、人生の仕組みって、神様って、なかなか良くできているし、悪くないなと思う。

考えてみれば、当たり前のことが、当たり前なだけに、当たり前の流れ方をしているだけの話なのである。しかしながら、当たり前過ぎて、ストレート過ぎて、深読みすることを常とする頭の悪い人間にとっては、当たり前過ぎることが、ストレート過ぎることが、極めて複雑に見えるのでございましょう。

人生なるものを無駄に深読みしたがる神経は、自分が生まれてきたことについて、無闇に意味を取って付けたがる、分不相応な人の中に生まれるのでございましょう。

拙者などはその典型でございます―というオチでよろしゅうございますか?一憩殿。


恋のしわざ/加藤ひさし(The Collectors)

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いくつになってもおちつけない
やることなすこと大人げない
ささいなしぐさに 浮かれヘコんで手に負えない

口から出まかせ悪気はない
あることないことしゃべってたい
つないだ手と手を離したくない 帰したくない

マイベイビー
No No No No わかっておくれ
No No No No この想い
恋してイカれて コワれて夢うつつ…恋のしわざ

やれない事など何もない
カッコつけてそう言ってみたい
あきれて笑う君に いつまでも見とれていたい

とっくに大人さ 子供じゃない
愛は盲目 何も見えない
たとえ この恋が悲劇的でも溺れていたい

マイベイビー
No No No No 信じておくれ
No No No No 嘘じゃない
愛してくれなきゃ もう 死んでしまうだろう
だから
No No No No おやすみなんて
No No No No 言わせない
キッスして 唇ふさいで 夜明けまで…このままで

近づき過ぎれば あとは離れてゆくだけ
せつないボクらは宇宙を旅する彗星
意地悪だよ Ah 恋のしわざ

いくつになっても感じてたい
どんな薬でも効き目はない
恋したハートは燃え尽きるまで 手に負えない

マイベイビー
No No No No わかっておくれ
No No No No この想い
恋してイカれて Ah 壊れっぱなしさ
ずっと
No No No No おやすみなんて
No No No No 言わせない
キッスして 唇ふさいで この世界終わるまで

終わるまで ボクのもNo!…何もかMore!…恋のしわざ


ソムリエ失格

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生まれて初めて、5千円を超えるワインを飲んだ。
「赤で、辛口で、スペインのやつ。」って言ったら、店のオヤジがこれを出してきて、「うちは安物は置きませんので。」と言った。

味は―なんていうか、その、一言で言うと、峰不二子的な感じであった。