仮想公演

俺の「相方」であるギターのギブリンは燃えるように赤く、それがトレードマークのくせに、頭に「超絶」が付くほどの雨女であって、これまで、ライブの日には7割〜8割の確率で雨を降らせてきた。で、今日も物の見事に雨を降らせた。出演を見合わせ、イベント自体が中止/延期となったにも関わらず…である。

俺が西川きよしだとすれば、ギブリンは横山やすしのようである。癖が強く扱いにくい、非常にややこしい相方ではあるが、ステージ上に於いては最強最高の相方。

さあ、しのごの言わず、酒を用意されよ。そして、この映像を今日、中止/延期となったイベントに代わる仮想公演として爆音で楽しんでもらいたい。

「自粛はしても委縮はするな」みたいなことを言う奴がいるが、そんなものはただの詭弁。状況が状況なんだから、大いに委縮すれば良いと思う。

「自粛」で済んでいる間は何の役にも立たない、毒でしかなかったものが、「委縮」となった瞬間から薬になる。

それがロックンロールだ。


10

YouTubeのチャンネル登録者数が「1」増えて「10」になった。2年半かけてようやく辿り着いた二桁。正直、ものすごく嬉しい。

以前にも書いたが、知名度の低い、もしくは無いアーティストというのは「1」の重みというのを痛いほど良く知っている。大きな会場を満員にするアーティストにとっては、お客さんが10人増えようが100人減ろうが屁でもないんだろうけど、我々は1人増えた!1人減った…というところで激しく一喜一憂して、それは、登録者数や再生回数だって同じこと。常に「1」には「1」以上の意味があって、そこに「されど」はあっても「たかが」はないのです。

待ち望んでいた「10」をありがとうございます。

心から感謝します。


天使

昔、天使について書かれた一冊の本に夢中になったことがある。

「天使」というと羽根の生えた赤ちゃんをイメージする人が多いと思うのだが、その本によると「姿形はあなたが自由に想像して下さい。それがすなわち、あなたの天使です」とあり、「天使は一人の人間に対して一人、必ず遣わされています」とあった。

「あなたの天使はあなたの為に働きます。天使はあなたに直接語り掛ける言葉を持たないので、何か伝えたいことがある時には、印象的な偶然を言葉代わりとして用います」

自分の為に働いてくれる天使が常に側にいて、何か伝えたいことがあれば印象的な偶然をもって伝えてくれる…この考え方を知って以来、何か印象的な偶然に出くわすたびに「あ、俺に何か伝えようとしてるな」と考えるようになった。

偶然をただの偶然と受け流してしまうのと、そこに天使がいると捉えるのと、どちらが生きてて楽しいと思う?そりゃ、天使がいると捉えた方が楽しいに決まっているだろう。

先日、こんなことがあった。

動画「WHY?」をアップしてすぐのこと。職場である書類を探していて、いつもの棚を探したのだが見当たらない。近くにいた人に訊くと保管場所を移したと言うので、教えてもらった別の棚を開けたら、ぎっしりファイルが並んでいた。ふと見ると、ファイルとファイルの間に一枚の紙が挟まっており、ぴょこんと上に飛び出している。「?」見て驚いた。目を疑った。「WHY?」と書いてあったのである。

「何を伝えようとしてるんだろう」考えるがわからない。わからないけど胸躍る。で、その日だったか別の日だったかは忘れたが、何気なく携帯でニュースを見ていたら、ニュースの記事と記事の間に「2020年。巳年で1月生まれのあなたに一大転機が訪れます」という文章を見つけてまたまた驚いた。もちろん、俺は干支占いなど信じる人間ではない。ただ、タイミングがタイミングだっただけに衝撃的だったのである。

二つの偶然に見舞われて以降、頭の中に「何か起きるんじゃないか?」というのがずっとある。人知れずずっとワクワクしている。世の中の状況が状況で、ライブもできないし、何かが起こるとは考えにくいんだけど、それでも何かを期待している自分がいる。


今日の収穫

天気が良いので、桜を眺めながら近所の中古CD屋を物色してきた。

ブックオフの特価コーナーで見つけたのは佐野元春の「SLOW SONGS」。持っていたのだが、就寝時の不注意で割ってしまったので買い直した。

「どうせ何もないに決まっている」一切期待せずに立ち寄った古本市場では、ザ・フーのライブDVDをこれまた特価コーナーで見つけた。「ザ・フー?なんだそりゃ。一生売れないに決まっている」店員の声が反映されたような価格で売っていた。

分かってない奴が増えれば増えるほど俺は得をしている。でも、なんか、腑に落ちない。

晴天。桜の下をイライラしながら歩いた。

やたらと虫がついて手のかかる桜より、棘があって凛としてる薔薇の方がずっと好きだ。


命日

今日、4月5日はカートコバーンの命日だ。

「ロックって何?」って訊かれた場合、「カートコバーン」って答えるのが一番手っ取り早いし、面倒臭くないと思う。

どこまでも滅茶苦茶で、救い難く自滅的だけど、天才的なメロディーメーカーで、どこにも嘘がなかった。

本当に、どこにも嘘がなかった。

学生時代、カート以外の人間は皆、嘘つきだと思っていた。

カートになりたい気持ちが、今もどこかにある。


ラスト6

ライブができないからアルバムリリースの目処が立たない。一体、いつになったら発表出来るんだろう。年内にできるんだろうか…。

いきなり話は変わるが、手元に以前無料配布していた「爆弾」「DABADA TV SHOW」の旧盤(新しい同タイトル盤とは収録曲も音もジャケット仕様も異なる)と、廃盤にした「REDCARD」が合わせて6枚残っていたので、伊丹のスタジオ「とらいする」で販売することにした。カウンターの灰皿の隣に一枚¥100で売っている。

伊丹界隈に住んでいて、外出自粛で悶々としている人がいたら、ピャーッと行って、買って、ピャーッと帰ってきて、酒でも飲みながら楽しんでもらえたらと思う。

ライブがやれるようになって、新しいのをリリースするまでの間を旧盤でしのいでもらえたら。ちなみに、旧盤は泣いても笑ってもスタジオに置いてある6枚が最後。在庫処分の大盤振る舞いです。


FEVER

今朝、「WHY?」の再生回数が500回を超えていた。

先日、音楽のきき方には「聞く」と「聴く」の2通りしかないという記事を書いたが、この曲は「聞く」ことではきこえてこない、「聴く」ことでしかきこえてこない曲の典型だと思う。

音楽を「聞く」人はごまんといるが、「聴く」人はあまりいない。だから、「聴く」ことでしかきこえてこない曲は一般受けせず、「マニアックだね」と言われて終わってしまう。

俺は、この曲もどうせ「マニアックだね」で終わるだろうと思っていた。でも、どうやら、音楽を「聴く」人たちに気に入ってもらえたらしく、「マニアックだね」では終わりそうにない。

この曲が「マニアックだね」で終わらないのなら、俺も「マニアックだね」では終わらないんだろう。

「自信を持って自分らしくいこう」そう思わせてくれる、嬉しい現象、ミラクルが続いている。

俺、パチンコってしたことないけど、フィーバーした時に感じる爆発的な喜びって、こういう感じなのかな?そりゃ、やめられる訳がないよな。

俺も音楽、やめられる訳がないよ。


戴冠

本日、「WHY?」の再生回数が300回を突破。公開から僅か一週間にして「バタフライ」を抜き首位に立った。YouTubeのサムネイル画面のカウントが実際の数字に一向に追いついて来ないんだから本当に凄い。あり得ない。

「ヒット曲」というのは数字抜きには語れないもの。だから「WHY?」は俺史上初のヒット曲と言える。

音楽やってて、周りからの反応として、今回ほど具体的な手ごたえを感じたことはない。

「WHY?」よ。これが王座だ。さあ、座れ。冠?馬鹿野郎!冠は俺がかぶる(笑)


怒涛の疑問符

新曲「WHY?」の映像はもう観てもらえただろうか。Facebook上で公開したところ、ミュージシャンからの反応が皆無に近く、想定通り、拒絶されているらしい事が判明した曲であり映像ではあるが、ミュージシャン達の反応をよそに、再生回数が驚異的な伸びを見せている。

昨日、早くも200回に到達し、今日、250回を超えていた。公開してまだ6日しか経っていないのに、である。

これまで、1本の映像の再生回数が200回に到達するには2年近くかかった。例えば、「バタフライ」は現在280回だが、ここまで来るのに2年5ヶ月かかっている。「WHY?」は僅か6日で250回。このままいくと、明日にも「バタフライ」を抜いて首位に立つ勢いなのである。

何がどうなってこうなったのか。考えてみた。

まず、昨今の外出自粛の影響で、映像を観る機会が増えているのが一つの要因として考えられる。が、これは俺の知名度を思えばほとんど関係ない。影響を受けたとしても極めて微弱に終わるだろうと思う。じゃ、タグがヒットしやすかったのか?これは絶対にない。なぜなら、「WHY?」に付けたタグは「和田怜士」と「WHY?」の二つだけだからである。なので、他に考えられるとすれば二つだけ。一番に考えられるのは、数こそ少ないかもしれないが、この曲に特別な思いを持ってくれた人たちがいて、その人たちが繰り返し観てくれているのではないか?というもの。もう一つは、この曲をカバーしたいと思ってくれている人がいて、曲を把握するために何度も観てくれているのではないか?というもの。でもこれは、この曲がミュージシャンから拒絶されることを想定して作られたものである以上、考えにくい。となると、やはり、特別な思いを持ってくれた人たちが生んでくれた奇跡的な現象…と考えるのが自然。もし、それ以外の理由があるのだとしたら、まったく見当がつかない。まさに「WHY?」だ。

何はともあれ、めちゃくちゃ嬉しいし、興奮している。

これまで、俺の代名詞といえば「バタフライ」だった。これは俺自身がそう思い、願い、言ってきたまでのことだったが、「WHY?」は違う。俺ではなく、俺の音楽を支持してくれている人たちが俺の代名詞として推してくれた…そう捉えている。

さすが、目の付け所が違うね。教えてくれてありがとう。皆さんの言う通り、「WHY?」こそ俺、和田怜士そのものだな。だって、俺の音楽の根底にあるのはいつも「なぜ?」という問い掛けだから。

単純に、名曲だしね(笑)