あと、八代亜紀も絶対に無視できない。
演歌の女王?冗談じゃない!お前の目は節穴か!亜紀は、あれは、完全に、ロックンロールクイーンだ!
森三中が好きだ。特に、黒沢かずこが大好きだ。
かずこは壊れキャラだ。壊れる直前に、スイッチの入る音がする。壊れ終わると急にスイッチが切れて「恥ずかしっ」みたいな顔をする、あの、芸人らしからぬ恥じらい感が大好きだ。
テレビから女性の歌声が聞こえてきた場合に私が無視できないのは、高橋真梨子と、トミーさんと、黒沢かずこだけだ。
考えに考えた末に出た結論は硬い。硬い思想には、けんちゃんパウダーを若干振りかけておくべきだと思う。
どんなに立派な思想でも、それが硬い間は駄目だ。
関西人なら知ってるでしょ?けんちゃんパウダー。
振りかけなきゃ、自分の中の硬い思想に。
事細かに、他人の行動を審判的な目で見ている人は、大切なことを忘れていると思う。で、結局はおのれが損をする。
他人を見る時は、まずその人が基本的に「善性」なのかどうかを見るべきで、その次に見るべきは、自分にとってその人の長所が、その人の短所よりも明らかに長く見えるかどうかを見極めるべきだと思う。
その人の性質が基本的に善性で、自分にとってその人の長所が、その人の短所よりも明らかに長く見えるのなら、大概のことは許してやるべきだと思う―という個人的な願望がございます。
今日で、離婚ということをしてから丸一年になる。あの日、人の良さそうな調停員のおじさんが「今日の日付は1が5つも並んでますね。これからきっと、いいことがありますよ」と言ってくれたのを覚えている。
あの時の私は、バンドマンとして復活する以前に、まともに社会復帰できるのかどうか不安だった。それが、いろんな人たちの支えもあって、僅か一年で、ここまで来た。
ところで、蝶初ライヴの舞台となる『扇町パラダイス』は、天神橋筋商店街の中にある。この商店街は、私が大阪時代末期に毎日徘徊して歩いた、あの頃の私にとっての救いの場所であり、また、幾度となく我が娘を連れて歩いた痛い思い出の詰まった場所でもある。
4日後、私はあそこで、ロックンロールシンガーとして復活する。完全に復活してこます。ぶちかます。復活の舞台に、あそこ以上の場所はない。絶命するつもりでステージに上がる。
「復活する」と言った直後に「絶命する」と言ってしもてるあたりがロックである。
私にとって、不動のラッキーナンバーである。
学生時代は、5割以上の比率で4組だったし、最近で言えば、例えば、大阪のレンズ工場で働いていた時には職場が4階にあったし、老人施設で働いていた時には、ロッカーの番号が「4」だったし、もっと言えば、今現在、私が住んでいる家の住所が4番地で、この4番地の後にさらに「4」が二つも並んでいるのである。
そして4日後。我々蝶の出番が、4番なのである。
HEP FIVEが嫌いだ。
〈理由其の壱〉建物全体を覆う赤が目にうるさい。
〈理由其の弐〉エスカレーターの順路が変にひねってあって不便。
〈理由其の参〉店員と客の区別がつかない。
〈理由其の四〉店員から客、果ては店や商品に至るまで、ありとあらゆるものがイキってて不快。
〈理由其の五〉カールスモーキー石井が勝手に拵えて勝手にぶら下げた赤い鯨が目障り。
〈理由其の六〉観覧車が回っている。
〈理由其の七〉ただそこにいるだけで味わわされるハミゴ感が不当。
〈理由其の八〉「ヘップ」という言葉の音感がナメている。
〈理由其の九〉ヴァージンレコードが潰れたので特に用がない。
〈理由其の十〉HEP FIVEで買い物ができるほど金を持っていない。