GS愛

私は昔から日本のGSが大好きで、特にザ・カーナビーツと、ザ・スパイダースと、ザ・タイガースが好きで、先日、タイガースがギターの加橋かつみ(トッポ)を除くオリジナルメンバー4人で再結成して、全国ツアーをするというので過剰なまでに胸躍ったのであるが、全国31ヶ所のライヴチケットが即日完売したらしく、大阪でやる時には絶対観に行こうと思っていたのに非常に残念である(チケットは現在、十倍の値が付いているらしい)。

沢田研二(ジュリー)、森本太郎(タロー)、瞳みのる(ピー)、岸部一徳(サリー)の4人が再び一緒にステージに立つなんて夢のようだ。どんな音を出すんだろう。

中でも、私が注目しているのはやはり、岸部一徳である。私は、岸部一徳は日本屈指のベーシストだと思っている。疑われる方は名曲『君だけに愛を』のベースラインを聴いてみられるがよろしい。あの曲は、一徳の音を聴くためにあると言っても過言ではない。そのくらい素晴らしい。

ところで、その昔、ザ・タイガースは大阪の「ナンバ一番」というライヴハウスに出演していた。現在はその跡地に同じ名前のパチンコ屋ができていて、私は一度見に行ったことがある。そう、パチンコ「ナンバ一番」をわざわざ見に行ったのである。ただのパチンコ屋であった。が、「自分は今、昭和40年代にいるんだ!」と強く思い込むことで、若き日のタイガースと、その熱狂的なファン達の面影、体温を感じることができて、なんだかもの凄く感動した。

パチンコ屋から出てきた、顔に「大負けを喰らいました」と書いてあるオヤジが、少女マンガの如くに目に無数の星を瞬かせている、心ここにあらずで無礼な程に場違いな私を見て、怪訝な表情を浮かべていたっけ。


孤軍奮闘

実は私にとって、対面して会話することほど苦手なものはないのである。そりゃあ、酒を飲みながら友人と語らうのは死ぬほど楽しい。が、それは単に私が、会話のやり取りに品のある人間を友人として選んでいるからであって、酒さえあれば誰が相手でも楽しいというわけではない。

意思を伝える手段として、音楽の力を借りることも、文章の力を借りることもできず、徹頭徹尾会話のみで伝え切らねばならないとなると、私は一気に気が引けて、弱腰になってしまう。「伝わるわけがないじゃないか…」という諦めが瞬時にして、私の中に蔓延してしまうのである。

対面して、お互いにまだ一言も発していない内から、私はすでに腰が引けてしまっている。対陣して、いきなり形勢不利を感じて白旗の準備をしているようなもので、これでははなっから戦にならないのである。

会話が始まる。私は徐々に、相手の会話の品格を感じ始める。この時、相手が非常に押しの強い話し手で、私がまだ自分の意見を述べ終わっていないにも関わらず口を挟んできて、それは正しいとかそれは違うとか、審判的なものの言い方をする人間だった場合、私はもうその時点で炎上、白旗を掲げようにもその白旗が炎上、撤退しようと後ろを振り向くとその退路が炎上、こうなるともう意識的に発狂するより他なく、酒を飲むペースをトップギアに入れて、前後不覚になって、緩いカーブを曲がり切れずクラッシュしてさらに炎上、還らぬ人に…ということになってしまうのである。

というわけで、私はある程度、会話に於ける言葉というものを放棄しているのである。今さら上達する気もない。そしたら、そうやって放棄された言葉が怒り狂って、いよいよもって私の指図に従わなくなって、日常生活に支障をきたしてきているのであるが、私はどこかで、私みたいな奴が他にもう少しいても良いんじゃないか?と思っている。なぜなら、どいつもこいつも盲目的に言葉の力を信じていて、信じ過ぎていて、信じ切っていて、その結果、言葉そのものを大いにつけあがらせてしまっているからである。

日々、孤軍奮闘。


諸刃の剣

弱い犬ほどよく吠える―これと同じような感じで、こんなのはどうだろう。

弱い奴ほどよく飾る。

弱そうな奴に限ってギンギラギンだ。そして、さりげなくない。

想像するに、戦国時代に於いては、ヘタレな武将に限って派手な鎧を纏っていたのではなかろうか。で、ヘタレ丸出しにオドオドしてるくせに鎧だけは派手なもんだから、やたらと敵の目と鼻について、真っ先に戦死して、鎧は派手だが人間的存在感が皆無に等しいので、同僚の誰も彼がいなくなったことに気付かなかったのではなかろうか。
所変わって現代。呑み屋街などを歩いておっても、全身ブランド物やなんかで固めて派手な格好をしている奴に限って弱そうである。弱そうなのに派手なので、チンピラに目を付けられて絡まれて、鼻血を流して自販機の横で体育座りをしているのである。あと、派手な女に限ってブサイクなのは言わずもがなで…。

こう考えてみると、ファッションというのもまた、弱者の数ある武器の中のひとつなのかもしれない。ただ、この武器を適切に扱えている人間をあまり見たことがない。


武器を持て

もし私が、梅田の東通商店街を川瀬智子と腕を組んで歩いておる際に、智子との会話に夢中になり過ぎているがために注意散漫になっている私の肩が前から来た安岡力也と接触して、「肩外れたやんけ」などと力也に因縁を付けられたとしたら、通常であればアスファルトに頭をめり込ませる勢いで土下座をして許しを乞う所なのだが、いかんせん智子の目があるので、「ホタテに肩があるんかいボケ」などと震える声で応戦して、敗北覚悟で格闘せねばならんことになるのであるが、いかんせん智子の目があるので、私は分不相応にも負けるわけにはいかず、敗北を覚悟するわけにはいかず、かといって素手では絶対に勝てないので、猛烈な勢いで周囲を見渡して、何か武器になりそうなものを探すと思う。その時、都合よくバールのようなものがその辺に落ちておれば有難いが、さらに都合よくピストル的なものが落ちておればなお有難い。もし、バールのようなものもピストル的なものもない場合は仕方がない、刃物的なもので手を打つが、バターナイフじゃ意味がない。

―以上の文章は、「弱者が強者に勝つためには何かしら武器が要る」ということを言いたいがための無駄に長い挿話である。

動物や昆虫の世界を見てもわかるように、メスはオスよりも生命力があり、「生きる」ということにおいて明らかに強者である。これは人間界に於いても同じことが言えて、女は強者であり、男は弱者である。言うなれば、女は力也であり、男は私である。だから、男には常に武器が必要で、武器を探す習性がある。

ところで、私は未だ嘗て、腹の底から笑わせてくれるような笑いのセンスを持った女というのにお目にかかったことがない。同様に、心の底から尊敬できる女性アーティストにもお目にかかったことがない。これはたぶん、女には生来の生命力があり、「笑い」や「芸術」といった武器に頼らなくても生きていけるからだと思う。だから、逆に言えば、笑いや芸術に関しては、女は絶対に男には勝てないということになる。

武器を生み出すのも、生み出した武器の扱い方を知っているのも、弱者である。弱者自体はあくまで弱者だが、弱者が生み出した武器には、時に強者を一撃で魅了したり捩じ伏せたりしてしまう「殺傷能力」があると思う。

パンクという音楽が生まれた背景には、当時の英国の若者が社会的に弱者極まっていたという事実がある。
ブルースだって元々は、社会的に弱者極まっていた黒人たちの悲鳴が形になったものである。
松本人志は尼崎の地味なヘタレで、北野武は秀才揃いの兄弟に対するコンプレックスの塊で、太宰治は自分の血統を憎んでいた。

「弱者ほど強いものはない」学生の頃聞いた親父の言葉の意味が、何となくわかってきた。


熟々考

いや、違う。知り合ったことくらいはさすがにあるな。思い出した。あと、友達も一人だけだけどいるな、年下の子。でも、一度も年下と思ったことないな。

年下と思って関わらにゃいかんような子とは合わんのでしょうな、やっぱり。

基本的に、私は常に自分が一番年下だと思ってるからねえ―精神年齢。


熟考

とはいえ、私は別に、年上が特に好きだというわけではない。かといって、年下が好きだというわけでもない。そんなことは別に、どうでも良い。

相性的には、これは決して「年上の方が合う」などと言いたいわけではなく、年下は絶望的に合わないと感じている。

実際、私は今まで、年下と付き合ったことがない。知り合ったことさえ、たぶんない。

…。


健康的ガッタガタ配列

私の「好きな女性芸能人」を歯並びに例えると、これはもうガッタガタである。
豆腐さえも砕いて、ドロドロにして、介護施設で言うところの「ミキサー食」にして、口端から若干垂れこぼしながら、「んま、んま、んま」とか何とか言いながら涙を流して飲み込む以外に栄養補給の道はない。

平均年齢が高い。同一人物が2位〜4位を独占してしまっている。このご時世に「戸川純」って気は確かか?などと、一見、突っ込み所満載にみえるかもしれないがしかし、私は至って真面目で、正気で、私に言わせれば、十代やそこらのガキンチョみたいなアイドルがズラリと並ぶよりはずっと健康的な配列であると考えている。


好きな女性芸能人[2011.9.8版]

5月1日以来、約4ヶ月振りの更新である。そろそろ更新しておかんと、自分の女性観に於ける立ち位置及び方向性を見失ってしまう。
言っておくが、笑うなよ。厳密に、厳密に厳密に考えた結果がこれなのだよ。厳密に、厳密に厳密に考えたがゆえの結果がこれなのだよ。では発表!

1位/松坂慶子
2位/川瀬智子(Tommy february6)
3位/川瀬智子(Tommy heavenly6)
4位/川瀬智子(THE BRILLIANT GREEN)
5位/中川翔子
6位/たかはし智秋
7位/木村カエラ
8位/akko(MY LITTLE LOVER)
9位/戸川純
10位/岡村孝子

念のため、もう一度言っておくが、笑うなよ。