待つ

聞き上手な人こそを「話し上手」と言うように、待つべき時にじっくりと腰を落ち着けて待てる人のことを、本当の意味で「積極的」と言うのではなかろうか。

「待つ」というのは、「行動」だ。

例えば、三國志なんかを読んでいても、駄目な武将に限って、「待つ」ということができない。君主から「包囲されたら、城門を堅く閉じて援軍を待て」という指示を受けているにも関わらず、「ええい!もう我慢ならん!」などと言って、それが武人としてあるべき姿だと信じて疑わず、勇ましく城を飛び出して、逃げる敵を追って、深追いして、罠だと気付いた時には時すでに遅く、退却しようとして振り返ると、城が炎上している―というシーンは、三國志の中ではほぼお約束とも言えるシーンである。

「待つ」というのは、「行動」であって、時として「攻め」でもある。


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