起爆剤にじょうろで注いで虹

今の職場に就いて半年が経過したわけだが、この半年間、試行錯誤に試行錯誤を重ねど結局、解決、改善することのできなかった苦悩といえばやはり、「休日の使い方がわからない」及び「息抜きの仕方がわからない」であって、例えば今日、私は久々の休みなのだが、何をすればよいのかがさっぱりわからなくて、このような時刻に一人、酒を飲みながらぼんやりと苦悩しているのである。

「いやいやいや、バンドやればいいじゃねえか!」とおっしゃる方もおられることとは思うが、それについては、私の中で、どうも煮え切らない、踏み切れないものがあるのである。
バンドというものの実際は、端から見るよりずっと難しいものだ。だから、どのバンドも続かない。私はそれを、そこそこ長い年月をかけて、身をもって、身心の軸で知ってしまった。でも、今度またバンドをやるのなら、続かなくちゃ意味がないのは確か。にしては、私の中でビジョンが未だはっきりしておらず、定まらず、また、私の生活の基盤(仕事)が不定休だということも相まって、どうも煮え切らないのである。
次のバンドは、絶対に解散しちゃイカンのである。私はもう、「解散」という衝撃に耐えられそうにないから、次こそは下手すりゃ本当に最後で、だから、めちゃくちゃ慎重にいかねばならんと思っているのである。

そんな中、私は昨日の夜勤中、あるおばあさんの居室を訪問した際に、「休日に何をしたらええんかわからないんです。これ、結構ツラいんですけど、どうしたらええんでしょうか」と思い切って相談してみたところ、その90歳近いおばあさんは微笑んでこうおっしゃたのである。

「彼女は?彼女はおらんのかいなっ。」

やっぱりそこか!と思った。でも、同年代の奴らに言われるのとは、ケタ外れに説得力が違って、嬉しくなって、大笑いしてしまった。おばあさんも笑っていた。

「彼女が欲しい」って間抜けな言葉じゃない。恋愛を起点としてしか踏み出せないものがあるし、頑張れないものがある。恋愛は、人生の起爆剤のようなものだ。

「まずは起爆剤よっ!」私は、あのおばあさんからそう言われたような気がした。

―あの人は、私の起爆剤になってくれるだろうか。

仕事頑張りたいし、またバンドやりたい。そして、仕事やバンドから得たものの全てを、起爆剤となってくれた一人の女の人に注ぎ続けたい。


コメントする

メールアドレスが公開されることはありません。