怜士、ロックンロール・ウェザー誌の特別インタビューに答える

Q 先日のライブ、お疲れ様でした。会場は大入。非常に盛り上がりましたね。

A 盛り上がったね。「ロッケンロー!」の掛け声を数え切れないくらい聞いたよ。本当に嬉しかった。

Q バラードの後にも掛け声が飛んでました(笑)

A 「ロッケンロー!」ってのは言うなれば「ブラボー!」だからね。バラードの後でも全然構わないんだよ。

Q 全曲新曲。初の試みでしたが、実際にやってみていかがでしたか?

A 実を言うと、ライブまでの数ヶ月間、本当にしんどかった。曲作りについては「短期間のうちに連続して作ったら似たような曲ばかりになるんじゃないか?」っていう不安があったし、曲って、ライブでやって初めて馴染んでくるものなんだけど、事前に一度もライブでやらずにいきなり当日を迎えるんだから不安で仕方なかった。万が一、下手を打つようなことにでもなればソングライターとして疑われることになるだろうし…おかげで毎日のように目はショボショボするし、寝ても寝ても身体はだるいし…自分で自分に課したプレッシャーではあったけど、思いのほか重くて大変だったよ。その分、大成功に終わって、その達成感といったらないけどね。

Q 新曲8曲のうち『先見の明』をセットリストから外されたのは何故ですか?

A 理由は二つある。一つはリハーサルの時、スタジオに迎えたゲストと一緒にやったバージョンが素晴らしくて、そのイメージが頭から離れなかったから。もう一つは自分の中で『アイボリー』と『先見の明』は二者択一だというのがあったから。両方やるとライブ全体がソフトになり過ぎる。でも、『アイボリー』を外すわけにはいかなかった。曲順的に『口車に乗って』の次は絶対『アイボリー』なんだ。だから『先見の明』をはずしたんだよ。

Q その二者択一を可能にしたのが、怜士さんの中で「締め切りギリギリ」のタイミングで誕生した『waterfall』だったわけですね?

A その通り。あの曲には本当に救われたよ。あの曲がライブ全体に緊張感を与えてくれた。あの曲の「怒」が『赤い雨』の「哀」や『orange』の「楽」を支えてくれたんだよ。「ミュージシャン受けする」という点では今回作った曲の中では群を抜いてるし、今後のライブには欠かせないナンバーだね。

Q 『orange』ひときわ盛り上がりました。

A 凄かったね。さすがはシングル。これでようやく『果物をてんこ盛った巨大なケーキ』を休ませることができる。『果物を〜』と『orange』は貴重な中継ぎ投手だ。ライブの中盤に欠かせない大きな戦力だよ。

Q さて、来月8月30日には怜士さんにとって非常に重要なポイントであるバニーマツモロさんとのツーマンライブが控えているわけですが、これに向けても今回、全曲新曲ライブのために書かれた8曲は大きな戦力になりそうですね。

A 本当にね。頼もしい限りだよ。

Q バニーさんはどういった攻め方をしてくると見ておられますか?

A わからない。俺とは違って、エレキとアコギを使い分けるし、セットリスト的にもハイだったりローだったりの切り替えができる人だからね。真っ向から来るかもしれないし、かわしてくるかもしれない。っていうか、俺は別にバニーさんと闘いたいわけじゃないんだよ。バニーさんとはもう十分闘った。俺が言う「闘い」の意味を初めて理解してくれた人でもあるしね。他の人は怪訝な顔をするばかりだったけど、バニーさんだけはいつも笑顔で受けて立ってくれたんだよ。で、一つ上の段階に進んだんだ。お互いに持ち味を発揮して、全力を尽くして、一緒に素晴らしくロックな時間、空間を作るというね。そういった意味では「公開共作」なんだよ。

Q 怜士さんにとって初の1時間ライブ。とはいえ、1時間の持ち時間に対して、持ち曲は50を超えています。セットリストはどのようなものになりそうですか?

A バンド時代の曲とソロになってからの曲を半分ずつ。とりあえず15曲選ぼうと思ってる。俺がやりたい曲を選ぶのはもちろんなんだけど、今回はそれ以上に周りからの評価を念頭に置いて選ぼうと思ってる。みんなに喜んでもらえるような選曲を心掛けるよ。

Q ということは『青空』を演奏される可能性は高いと見て良いのでしょうか?

A さあね。あれが本当にそんなに人気があるのか、実のところわからないし、今はただ、数ある曲の中の一つに過ぎない。確かに昔は特別人気があった。だから可能性はある。でも今や、過去の実績だけでセットリストを勝ち取れるほど甘くないんだよ。競争は実に熾烈なんだ。

Q リクエストを募ってみてはいかがですか?

A 無駄だよ。どうせ誰も何も言わないに決まってるんだから。思ってても言わないし言えない。それが日本人。それこそ『雫』の歌詞じゃないけど、「何か言ってくれ/卑怯じゃないか/黙り込むなんて」だ。

Q (笑)今、怜士さんは全曲新曲ライブとツーマンライブの狭間におられるわけですが、現在の心境を一言で表すとすれば?

A 「無敵」だな。


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