大きな天災に見舞われると、デジタルなものの脆さが一気に表面化してくる。そうして、そんな時にだけ、掌を返したように、皆が皆、「やっぱ、アナログっていいよねえ」みたいなことを言い出す。
で、喉元過ぎて熱さ忘れるや否や、「やっぱデジタルでしょ」って言って、家電屋に群れを成している。
先日、裏の公園で、制服を着た男子中学生が、ベンチに座って弁当を食べていた。天気の良い、暖かい、お昼時のことだったので、「あ、さては学校抜け出してきよったな。よかよか。こんなエエ天気の日は、外で弁当に限るよね。」と、目を細めて眺めていたら、中学生が持っていたものが弁当箱ではなく、i‐padだったので、脳天に盥が落ちてきたような気がして、地面を蹴って、肩を落として帰宅した。