相殺して灯る

和田一憩は死のう死のうとする。世の中のありとあらゆるものが、自分よりも上にあると信じて疑わないから、生きにくくて生きにくくて仕方がないのだ。 一方、新田茘枝は生きよう生きようとする。世の中に対して、独自の言葉を持っている...