詩『人魚』

凍りついて見上げていた そこに君の肉体はなく 見覚えのある真っ赤なドレスが立っていた 胸元には猫の目に似たガラスの玉が輝いていたが 突然弾け飛んで螺旋階段を駆け降りると 僕の足元で音を立てて割れてしまった 割れてしまった...

詩『素敵な悪夢』

誰もが快晴だと信じて疑わない空を 君は少し疑っている 僕はあの空に 一筋の雲が浮かんでいるのを見つけて ただそれだけのことで 君を汚染する 雨 風 雷 君の理性の残骸が 五線譜の上に流れ込む 素敵な悪夢はいかが? 素敵な...

詩『祈りのかたち』

眼を閉じて食卓に着け 叶う祈りは嚥下の形 飲み込んで下へ 飲み込んで奥へ 飲み込んで底へ 飲み込んだら 飲み込むことを飲み込め 下へ下へ 奥へ奥へ 底へ底へ 底の底を突き破れば 頭は遥か雲の上 誰もいないが誰かいる 気配...

どうせたかが知れている

めちゃくちゃなことをしたいと思う。 めちゃくちゃな生き方をしたいと思う。 私は、根が臆病な人間なので、思い付く限りめちゃくちゃなことをしたところで、たかが知れてると思う。 どうせたかが知れてるんなら、やらなきゃ損だと思う...

恋もロックなイカした野郎

レノンは、ヨーコを選んで、誰にも素直に祝福してはもらえないことを良くわかっていたと思う。だからこそ、ヨーコじゃなきゃ駄目だったんじゃないかと思う。 ヨーコを選んだこと自体が、レノンの表現のひとつだったんだと思う。もちろん...