詩『祈りのかたち』

眼を閉じて食卓に着け

叶う祈りは嚥下の形

飲み込んで下へ

飲み込んで奥へ

飲み込んで底へ

飲み込んだら

飲み込むことを飲み込め

下へ下へ

奥へ奥へ

底へ底へ

底の底を突き破れば

頭は遥か雲の上

誰もいないが誰かいる

気配の中で喋りたまえ

気配の中で喚きたまえ

気配の中で唸りたまえ

急転直下 屋根に穴

待ち遠しさに笑いあり

待ち遠しさに涙あり

そこで待て

ひたすらに待て

屋根にあけたあの穴は

天使のための覗き窓

眼を閉じて食卓に着け

叶う祈りは嚥下の形


コメントする

メールアドレスが公開されることはありません。