悪童記

何事に於ても、後先考えず、計画性なく突撃して砕け散ることの爽快感を優先する私の座右の銘はきっと、「猪突猛進」である。

感受性弾ける子供時代から、ロックとビートたけしを猛烈に愛して、信奉して生きてきたら、誰だってそうなるはずである。

あのバイク事故の時、私はまだ子供だったが、不思議と、「ビートたけしは死なない」と確信していた。「ああ、残念ながら死なれへんやろなあ」と思っていた。そして、事故の報道を受けるやいなや、どんな形で復活してくるのかをめちゃくちゃ楽しみにしている自分がいて、そんな自分はめちゃくちゃ残酷な野郎だと思っていた。

新聞に、血にまみれた道路の写真が載っていた。大破したバイクの写真が載っていた。私はそれを見て、ただ猛烈に、「カッコいい」と思っていた。


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