悪魔の魅力

世界一カッコいい男のスマホケースを手に入れた。

酒も煙草もギターも、この人の影響でやり始めた。「歳をとることは良いことだ」という考え方もこの人を見ていて根付いた。

若い頃は完全なるジャンキーだった。逮捕されて、一生刑務所暮らしになりかけたこともある。あまりにしょっちゅう逮捕されるので、「はなっから捕まっておいてやる」という意味合いで左腕にはいつも手錠の形をしたブレスレットを巻いている。でも、その一方で、音楽に対しては真摯過ぎるくらい真摯で、三日間一睡もせずにギターを弾き続けてぶっ倒れて、ぶっ倒れた拍子にアンプの角で鼻を強打して、強打した鼻は今もなお曲がったままだったりするし、ステージに上がってきた客を「マナー違反だ」と言って、ギターで殴りつけたこともある。

つい最近、70を超えて断酒宣言。理由は「飽きた」。70を超えて初めてシラフでステージに上がったという話を聞いた時には笑ってしまった。それから、相棒のミック・ジャガーに73歳にして8人目の子供ができた時には「奴もそろそろパイプカットを考えた方が良いんじゃないのか?」と余計なことを言って、ミックに怒られて平謝りしたという話を聞いた時にも笑ってしまった。

悪魔も神だということを知っている人は意外と少ないが、悪魔を憐れんで、悪魔に愛され続けている男がいる。

キース・リチャーズだ。

 

 


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