挑発

ライブ・バーに出入りしてると「ブルースやって〼」という人が異常に多い。ブルースってそんなに人気あったか?と思う。だって、ブルース聴いてる人っておる?あなたの周りに。俺の周りには一人もおらんよ。ロックが好きで、ロックバンドがブルースやってて、「ブルースってカッコええな」っていうのならわかる。そういう人なら俺の周りにも沢山いるし、俺自身そう。でも、そうじゃなくて、ピンポイントでブルースが好きな人ってほとんど見たことがない。にも関わらず、「ブルースやって〼」っていう人が異常に多いのは何故?

俺の見解はこう。『実はブルースやってる人なんてほとんどいない』。黒人のブルースのカバーをしている時はそりゃまあ確かにブルースなんだけど、日本語でオリジナルを歌い出した途端にただのフォーク…という人がほとんど。「フォークやって〼」って言うより「ブルースやって〼」って言った方がカッコいいから適当にブルースのカバーをやっておいてブルースマンを装ってフォークやってる。しゃらくさい。

ブルースというのは本来、日常的な憤りや悲哀を喚き散らすもの。そういう意味ではパンクに近いものがあると思う。ピストルズのジョニーロットンが今にも泣きそうな顔をして怒鳴り散らしている映像を観た後に、黒人のブルースマンが歌っている映像を観ても何の違和感も感じないのはそういうことだろう。「青春パンク」が聞いて呆れるように「青春ブルース」が聞いて呆れる。それはもうパンクでもブルースでもない。とんがっているべきものにいちいちヤスリをかけるな。

昔から「日本にレベル(反逆)・ミュージックは根付かない」と言われている。日本人にパンクとレゲエはできないと言われている。パンクもレゲエもできない人種がブルース?

できるわけないじゃないか。


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