春の一触触発

ビルボードライブ大阪で「佐野元春&ザ・ホーボー・キング・バンド」のライブを観てきた。キャパ320人。チケットを取るのは至難の業(電話予約。9時からかけ続けて繋がったのは17時だった。もちろん、その後すぐにソールドアウト)。運良く観ることができた。

ブルージー&ジャジー。若いコヨーテ・バンドと演る時のようなバリバリのロックではなく、熟練のグルーヴが腰にくる味わい深いライブだった。ドラムが古田たかしで、キーボードがDr.KYONで…メンバー全員、問答無用に超一流。

そして、音が素晴らしかった。PAが良い仕事してる。特にドラムの音。限りなく生音に近くて、電気的な音が一切しなかった。やはり、その辺のライブハウスのPAは駄目だと思った。やかましいばかりで耳に痛い。

元春さんを含めたメンバー全員のステージへの出入りは、ステージ袖ではなく、客席最前列の前の通路を通って、ステージの前にある階段で行われた。俺の席は二列目だった。ステージに向かう時も、ステージから去る時も、手を伸ばせば届くところに元春さんがいた。最接近。佐野元春と和田怜士の間にある距離は僅かに1.5mだった。

ヤンチャな狼のような顔をした元春さんの、やったった感満載の横顔が頭にこびりついて離れない。

まさに「横綱相撲」。素晴らしいライブだった。


お酒の香り

というわけで、実際にピアノの前に座る機会を得て勢い付いた俺。『香しき日々』の歌詞の見直し、手直しが完了した。

「弾けないピアノを弾く」というフレーズは「飲めない酒を飲む」という言葉から来ている。これに「酔い痴れて」「酔う」というフレーズを絡めて、タイトルの「香しき」にお酒の匂いを漂わせてみた。それから、個人的に楽しんだのは、曲が進むにつれて主人公が酔っ払っていく感じ。冒頭、主人公はシラフで「一度も不安を口にしたことはない」と言い切っているが、中盤では酔いが回ってきて「手遅れになる前に連れ出して」などと不安を口にしている。そして、ギリギリのところまで「待つことの幸せ」と強がっていたのが、最後の最後では「会いたい」と本音を漏らしてしまっている。完全に酔っ払っちゃったんだな。

料理でお酒を使うように、曲作りでお酒を使ってみた。俺は全く料理ができないけど、料理で使うお酒がお酒の味や香りを主張させるために使うものではないということは知っている。曲全体にお酒の香りを分かるか分からんか程度に、ほのかに漂わせてみた。

まだ実際に腹から声を出して歌ってみたわけではないけど、頭の中で鳴っている音から察するに、相当良い曲に仕上がっている。


優しいもの

今、『香しき日々』の歌詞に少しずつ手を加えている。少し飾り付けを…といったところ。作詞って、ベースを作るのはものすごくしんどいけど、ベースが出来た後の見直しと手直しは楽しい。一言二言変えるだけで曲全体が大きく変わるのを感じて、あからさまに良くなっていくから楽しい。好きな人の為にアクセサリーを選んでいるような感じ。

ところで、職場にピアノがある。俺にはあまり縁のない場所にあって、立ち入ることは滅多にないんだけど、ピアノがキーワードになっている『香しき日々』に合う言葉を考えていたら、まさに考えている時に、このピアノが置いてある部屋に呼び出された。

ピアノ。全く弾けないけど、椅子に座ってみたら何か感じるものがあった。優しい人の側にいる時の安堵感というか何というか…楽器ってどれも綺麗で神秘的だと思うけど、ピアノはでかいから犬で言うところのセントバーナード的な包容力を感じる。

曲を作っていると、たまにこうやって、不思議な事が起こる。そして、不思議な事が起こるたびに、「その曲は是が非でも完成させなさい」という声が聞こえたような気がして、声の主からヒントをもらえるような気がして、実際もらえて、素晴らしい曲になる。

 

 

 


新曲『香しき日々』完成

今回は膝すら使っていない。完全に頭の中で、想像で作った。

頭の中に持ち込んだピアノをポール・マッカートニーに弾いてもらって作ったという、妄想癖の賜物。

バラードだ。だから、次のライブで「グラサージュ」をやる必要はなくなった。

うちの奥さんは早々にメロディーを覚えて、「最近、神懸かってるね」と言った。

作曲者クレジット、勝手に「REISHI/McCARTNEY」にしたらアカンかな。アカンよね(笑)

 


幻のミニアルバム

昨日はスタジオにこもって新曲5曲の調整に励んだ。そして、それぞれの曲を客観的に見てみるためにデモを録ってみた。曲順は「口車に乗って」→「アイボリー」→「先見の明」→「赤い雨」→「orange」

家に帰って聴いてみたらどの曲も本当に素晴らしい出来で驚いた。それぞれにカラーがあって(タイトルにもそれが出ている)、僅か5曲ながらバラエティーに富んでいる上、どの曲も無駄を省いてシンプルに纏め上げることに徹して作ったから、トータルタイムが14分(!)と短く、何度聴いても飽きが来ない。うちの奥さんも「似たような曲がなくて何回聴いても飽きひんね!」と喜んでくれた(ちなみに、うちの奥さんの一番のお気に入りは「orange」。たまに踊りながら歌ってる(笑))。

こうなると俄然ライヴがしたくなってくる。みんなを驚かせたい。でも、5曲で14分ということは、持ち時間が30分だから、更にもう5曲作らねばならんのか?いや、時間の問題じゃない。短くてもクオリティが高ければ満足してもらえる。それこそ、ビートルズのライヴがそうだったではないか。とりあえず2曲。少なくともあと2曲は絶対に作る!

目指せ!問答無用のキャリアハイ!

 


新曲『アイボリー』完成

前作「口車に乗って」の出来の良さに気を良くして、膝を叩いて、膝で作った。作る時、ギターは一切弾かなかった。かなり分かりやすくビートルズっぽさを意識してみたつもりだが、日本語を乗せたら案の定、完璧に和田怜士の曲になった。可愛らしい、良い曲だ。

ヒザ神と呼んでくれ。

(この曲でオリジナル曲数が51になったので、ライヴで一度も演った事がない「夢見る眼差し」という曲をボツにした)


☆8周年☆

一昨日、当ブログ『一憩合格』が8年目に突入した。なかなかの老舗である。

最近の当ブログは、ベテラン読者の皆さんには「これ、前にも読んだことあるぞ」という記事がちらほら見受けられる傾向にあるかもしれない。でも、基本的に、俺はそれを分かっていて書いている。というのも、最近新たに読者になってくれた人たちがいるからで、その人たちに向けて、その人たちにも読んで欲しいと思う内容については、再度書くようにしている。ま、8年もの長きに渡ってやってきたから、過去に書いた事を忘れている場合もあるとは思うけどね。

8年。それは、産声を上げた赤ん坊が小学3年になる歳月の経過である。また、全くの鳴かず飛ばずに終わっている無名のバンドが8年解散することなく活動を継続できる可能性は限りなくゼロに近い。8年というのは、そういう歳月の経過の事である。

『一憩合格』8周年。これを迎える事ができたのは、俺の中に絶えず「誰かが読んでくれている」という気持ちがあったからで、つまりは、読者の皆さんのおかげ。そして、何か不具合が起きるたびに復旧してくれた管理人のおかげ。

皆さんに心からの感謝を!


新元号

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新元号発表。

令和?う〜ん…なんかしっくり来ぇへんなあ。でも、なんか見覚えある字ぃやなあ…あ、あれ?え!?

職場で思わず「俺の時代が来たあ!」と叫んでしまった。


ビール至上主義

実は次の曲もメロディーはすでに出来ている。あとは言葉を乗せるだけ。

ビートルズっぽい曲って得意なんだけど、意外に「ビートルズっぽい曲を作ろう」と思ったことはない。結果的にビートルズっぽかっただけ。だから、あえて、初めて、「ビートルズっぽい曲を作ってみよう」と思って膝を叩いてたら、感覚的には、極端な話、5秒で出来た。でも、ビートルズにこんな曲はないし、例の如く、日本語を乗せたら全くの別物になるだろうと思う。

「口車に乗って」もそうだけど、頭の中にメロディーがあって、それにギターを合わせていくという初めての作業が始まった。どうやら、いつも使ってるコードだけでは駄目みたいで苦労しそう。

でも、いまだかつて、これほど曲作りが楽しいと思ったことはない。中途半端にライヴをやるよりずっとずっと楽しい。

「オリジナルじゃないと意味がない。自分で自分のものを作れ」親父に5万回くらい言われたけど、その意味がなんとなく分かってきた。親父はただ、本当に楽しいことを教えようとしてくれていただけだ。

芸術の、音楽の、本当の楽しさは、作らないとわからない。

発泡酒はビールではない。ビールの模倣だ。模倣は模倣でしかない。永遠にビールには勝てない。

ビールを作って、飲んで酔って、飲ませて酔わせ続けたい。