ロックンロールシンガーの飲酒理由

週末は何をして過ごしておられますか?と尋ねられた場合に、「スポーツジムに通ってます」とか「テニスをやってます」とか答えると、なんだかお洒落で、素敵に汗を流していて、魅力的に健康的な感じがするが、「ロックンロールバンドで歌ってます」と答えると、なんだかちっともお洒落じゃなくて、不健康で、陰気で、流す汗にフレッシュ感がまるでなくて、スポーツマンの流す汗がポカリスウェットのような香りがしそうなのに対して、ロックンロールシンガーが流す汗はサッポロ黒ラベルの匂いがしそうで…みたいな印象をお持ちの方もおられると思うが、ま、一部正解だし、そのくらいイメージの相違があることは認めるが、ロックンロールバンドで歌うというのは実は、たとえ直立不動で歌うにしても、スポーツジムやテニスで身体を動かすのと同じくらい体力を消耗するし、目には見えない汗と涙を皮膚の内側で大量に流しているのである。

狭いスタジオで、ロックンロールバンドの出す爆音に負けじと腹から声をだして歌っていると、1時間30分くらい経過したあたりで確実に吐き気を催してくる。私は省エネ歌唱法みたいなものを知らないし、そんなもの知りたくもないので、2時間歌ったらもうクッタクタに疲れるのであるが、この疲労感がめちゃくちゃ嬉しくて、疲れてるのにハイになっちゃって、ガンガンビール飲んじゃって、疲れに酔いが絡みついちゃって、翌日、廃人みたいになってしまうのである。

ロックンロールシンガーのカロリー消費量を馬鹿にしちゃいけない。その辺のスポーツマンシップに乗っ取った奴らと同じくらい、もしくはそれ以上に、カロリーを消費しているのである。だから、「まったくアンタは酒ばっかり飲んで!」なんてことは言わないで欲しい。私はただカロリーを補給しているだけの話なんだから―ということにしといていただけますか?

え?駄目?じゃ、アンタには本物のロックンロールを聴かせてやらん!


1件のコメント

  1. ボーカルは大変な事です。今や貴方の一人の為だけの体や喉だけではイケない。エネルギー源なら飲むの良し。意外は歌い続ける為も考えて、維持させる事が簡単な事ではない、のは貴方が一番感じるはずだ。
    楽しいのは良し。
    壊すな、維持してくれ。

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