しずく

―考えれば考えるほど、答えは簡潔なものになっていく。

要するに私は、単純明快だったり、天真爛漫だったりするものを選りすぐって、身の回りに置きたいと考えているらしい。

ややこしさや難しさといったものは、私の中に、吐いて棄てるほどある。
自分がすでに持っているものを、わざわざ周りに求めたりはしない。

自分にないものを周りに求めるのが人情だとすると、私は、単純明快だったり、天真爛漫だったりするものを求める。

私の音楽はややこしかった。私の恋愛はややこしかった。私の生活はややこしかった。だから今後は、音楽についても、恋愛についても、生活についても、ややこしいのはごめんだと思う。ややこしいのは、私の頭の中だけで十分だと思う。

―と、書いてみて、この文面に漂うややこしい感じがもう本当に、我ながらウンザリなのだが、でも、私のこのややこしい感じを、ややこしくない人が、「自分にないものだから」と言って求めてくれたら、有難いなと思う。


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