不良を受け容れた

シラフの時と、酔っ払っている時と、完全に別人格―私は二重人格である。

シラフの時の私は完全なる嘘つきだが、酔っ払っている時の私の行動や言動には嘘がない。嘘がないから、滅茶苦茶だと言われる。

嘘をつき続けることのしんどさというのはなかなかのもので、だからついつい酒に手が伸びる。

言うなれば、酔っ払っている時の私こそが、私本来の姿であるから、酔っ払っている時の私が滅茶苦茶だということはつまり、私という人間が抜本的に滅茶苦茶だということである。

私は、酔っ払っている時の自分を全面的に支持する。何を言っても、何をやっても、一切反省しない。やることなすことに嘘がないからだ。本当はこう思っているから、こう動くまでのこと―ということ。

私の中に、優等生と不良がいる。優等生は嘘ばかりついているが、不良は嘘をつかない。嘘つきが優等生だと言われて、正直者が不良だと言われている。優等生には不良の気持ちがわからない。わからないから怖くて、怖いから「関係ないね」などと言って虚勢を張っているが、関係ないはずがないし、優等生はむしろ、不良に憧れているくらいなのである。


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