真面目に鈍感

それは別に「家」でなくとも、例えば会社と家庭といった狭い世界の中を、行ったり来たり、登ったり降りたりしておるだけだというのは、立派に「引きこもり」だと思う。

引きこもりは、自分の身の周りにある物や人を「全て」だと思ってしまう。そして、その「全て」に執着するがあまり、あれよあれよと依存して、「全て」の微々たる変化に過剰に反応してしまうようになる。本当はちっとも全てではない「全て」をむやみやたらに掘り下げて、気付けば自分は、自分の掘った穴の底に立っていて、よじ登ろうにもよじ登れなくなってしまう。

例えば、「鬱だから引きこもるのか。引きこもるから鬱になるのか。」という問題について私は、どちらかと言えば、後者が真相に近いのではないかと思っている。

だから人間、大いに外へ出て、色んなものに見て触れて、「全て」の幅を拡げて、自分の生活圏内で起こる微々たる変化などには気付かない、惑わされない「鈍感力」が必要だと思う。


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