3発目の核爆弾

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中3の時に、ニルウ゛ァーナの『ネウ゛ァーマインド』を聴いてブッ飛んだ。それこそ本当に、天地がひっくり返った。自分の中に核爆弾が落ちて、全てがゼロに戻ったような感じで、自分の人生について、あくまで自由なんだと、選択肢がいっぱいあるんだと思えて、「いよいよもって俺の人生が始まった!」と思った。

20歳の時には、「出たあああああ!」と叫んだ。「出たあああああ!」以外の言葉は無用だった。オアシスの『ビィ・ヒア・ナウ』が発表されたのだ。音楽的にも、姿勢的にも、私のやりたいことの全てが、オアシスというバンドと、『ビィ・ヒア・ナウ』という1枚のアルバムにギュッと凝縮されていた。

そして、その『ビィ・ヒア・ナウ』体験から14年を経た今年、私の中に史上3発目となる核爆弾か投下された。それがこれ、ベイビー・シャンブルズの『ダウン・イン・アルビオン』である。

今まで、数え切れないほどのロックアルバムを聴いてきた。が、さすがに最近は、素晴らしい!と思えるものは多々あっても、「衝撃」と呼べるものにはなかなか出会えず、ましてや、かつての『ネウ゛ァーマインド』や『ビィ・ヒア・ナウ』のような核爆弾クラスともなると、出会うことをもう半ば、諦めかけていた。そこへ、突如、投下されたのがこのアルバムである。

どんな内容なのかは、あえて多くは語らない。いや、語れない。核爆弾クラスの音楽というものは、基本、語れないものなのである。でも、何も語らないというのも、ロックをこよなく愛する読者の皆さんに失礼だと思うので、箇条書き的に、このバンド、このアルバムの何がどう凄いのかについて、書いておきたいと思います。

・このバンドの顔は、UKロック好きなら知らぬ者のないバンド「ザ・リバティーンズ」のフロントマン、ピーター・ドハーティ(ハンパない薬中にして、天才吟遊詩人)であるが、彼のカリスマ性は、私の見る限り、あのリアム・ギャラガー以来である。

・アルバム2曲目の『ファック フォーエバー』が私に与えた衝撃は、間違いなく、あの『スメルズ〜』以来である。

※以上2点について、我の目と耳で確認したいとおっしゃる方は、YOU TUBEを参照の事。『ファック フォーエバー』のPVが見られます。死ねます。

・言うまでもないことだが、音が最高である。特にギターの音は、今、私が一番鳴らしたい音である。っていうか、そもそも私の大好きな音である(PVを見て、どんなギターを使ったらそんな音が出せるのかを検証してたら、ギタリストの弾いているギターがジャガーだったので、私は今、私が今度購入するギターについて、グレッチにするか、ジャガーにするかで大いに迷っている)。

・いわゆる、「スルメアルバム」であって、表現の幅が広くて、何度聴いても全っ然飽きない。パンク、レゲエ、フォーク…色んなことをやってるが、何をやっても、一貫しているのはメロディの良さである。哀愁漂う素晴らしいメロディを、薬中丸出しのヘロヘロウ゛ォーカルがキリキリと歌い上げるのであるから、圧巻である。

と、私の個人的な、思い入れの塊のような解説はこのくらいにしておきます。是非、聴いてみてください。ちなみに、私が薦めるからといって、ビートルズや、オアシスや、ニルウ゛ァーナのような感じを期待しないでください。決して、あんな感じではありません。個人的には、クラッシュの音楽性に、スミスの色気と品格をまぶして、そこへさらにディランの詩情をすりこんだような感じかと。ま、とにかく聴いてみてください。めちゃくちゃ凄いから!


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