日常損得感情

最近、うちの裏庭に、茶色い猫が姿を現すようになった。
猫の小便は植物を枯らすということで、近隣住民は、ネットを張るなど何らかの対策を講じねばならんなあ―みたいなことを言ってはいるが、言葉の内容とは裏腹に、声は結構嬉しそうなので、大した対策は講じないだろうと思われる。「可愛い」というのは、何かと得である。

私は、一日に一度必ず、部屋の窓を開けて裏庭を見渡し、今日は来てるかな?来てない。今日は来てるかな?来てる!今日は来てるかな?来てない。今日は来てるかな?来てる!―を繰り返している。

そういえば、行きつけの居酒屋にも、私に同じことを思わせるオヤジが約一名いるが、店内にオヤジの姿を認めた際に私が呟く言葉は、「来てる!」ではなく、「来てる…」であり、有刺ネットを張るなど何らかの対策を講じねばならんのではないか?と思う。

「可愛くない」というのは、何かと損である。


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